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3Dテクノロジーがいかに今後のビジネスに変化をもたらすか

2014年08月04日 16時00分更新

文● Sanjay Patel via ReadWrite

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それは新たな次元をすべてのものに加えていく

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近いうちに、世の中の3次元的性質を捕らえるための3Dカメラを必要とする「3Dイメージング」がラップトップやタブレット、スマートフォンの主要な構成要素となるだろう。世間ではアマゾンのFire PhoneやグーグルのTango、マイクロソフトのKinect、Oculus Riftがなどがニュースのヘッドラインを飾っており、この技術がいかに消費者にインパクトをもららすかを想像するのは簡単だが、そのビジネスに対する有用性についてはなかなか想像が難しい。

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だが3Dイメージングは企業に重要な影響を及ぼすだろう。我々はすでに多数のフォーチュン500の企業とより小さな企業が3Dベースのアプリケーションをテストし、そして非常に刺激的な結果を得ているのを目の当たりにしている。

没入型コラボレーション

多くのハードウェアやソフトウェアの3Dテクノロジー、例えばタッチレスのユーザー・インターフェース、没入型のビデオチャット、顔認識、3Dスキャンなどがさらに企業向けのアプリケーションに直接的な変化をもたらすことになる。

例えば、3Dイメージングはバーチャル・ミーティングやプレゼンテーションを「没入型に」することによってそれを劇的に改善できるだろう。デプス(深度)感知技術を使用するアプリケーションは、周囲の環境から個人を抽出し、彼らを他の同僚と共に3Dのバーチャル・ミーティング、あるいはドキュメントやプレゼンテーション、その他操作し表示可能ないかなるデータオブジェクトと共にバーチャルな「スペース」へと「配置」することができる。

没入型のミーティングは様々な業種の人々に、データや画像、動画のプレゼンテーションを使った、顧客や同僚とのより直接的・直観的なフェイストゥフェイスでの対話を可能とするだろう。この種の没入型機能はすべてのオンライン・コラボレーションに対する中核的な機能となるだろう。

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セキュリティと顔認識

指紋センサは、我々のスマートフォン上の重要なデータ(とデジタル・ウォレット)を保護するためのものとしてより一般的になっている。この分野における次の進歩には、自動的にユーザーの顔を認識するデバイスが含まれるだろう。

顔認識は新しい技術ではない。Androidデバイスでは、すでに前面カメラに自分の顔を向けてのアンロックが可能になっている(ただし、このプロセスは信頼性・安全性が決して高くはない)。しかし3Dカメラであれば、正確な顔の形や輪郭をキャプチャーすることでそれをはるかに改善することができる。企業の観点では、モバイル・デバイスをより安全にすることは大きな優先事項であり、それだけで3Dイメージングへの移行を正当化することができる。

3Dプリント

今年、3Dプリントは多くの話題を集めた。ガートナーでさえ、企業が「新たな製品ラインやマーケットを作るだけでなく、従来のプロダクト・デザインやプロトタイピングを改善するための3Dプリント技術による実験」を開始するよう勧めている。

3Dイメージング・システムによってキャプチャーされる3Dデータの爆発的な増加を想像することができれば、3Dプリンタがそれを実体的なモノに変えるための理想的な手段であることに間違いない。オブジェクトのまわりで3Dカメラを動かすことで、対象を高解像度でキャプチャーするには十分となる。3D表面メッシュはその後、モデルやプロトタイプとしてプリントすることができ、これはビジネスにとって信じられないほどに価値あるものとなる。

音声ナビゲーション

今日の3Dカメラの別の重要な要素は、高度なビームフォーミング(※)配列マイクロフォン、3Dカメラのオーディオ版だ。この機能はより高性能なバックグラウンド・ノイズの抑制とエコーキャンセルを提供し、はるかに精度の高い音声認識を可能にするだろう。

※電波を特定の方向に向けて集中的に照射する技術

この配列マイクロホンで、SiriやCortana、Google Nowといったデジタル・アシスタントの劇的な改善を期待することができる。精度の高い音声認識は、作業場でのコミュニケーションを変化させ、かつ既存アプリケーションの莫大な範囲を音声によって制御可能にし、生産性を改善してくれるだろう。

すべてのためのエンタープライズ3D

企業向けの3D技術の開発に関しては、インテルやグーグルのような大企業が先頭を走っている。インテルがCESや最近のComputexで発表したように、知覚コンピューティングは企業にとって中核を成す優先事項であり、PCに3Dイメージング機能を搭載することがその多くに含まれている。すべてのPCに3Dカメラを搭載することは産業にとって大きなゲームチェンジャーとなるだろう。

モバイルの面では、グーグルがビルトインのセンサーと処理能力によってユーザーの動作を追跡し周囲の環境をマッピング可能なモバイルデバイスのプロトタイプ「Project Tango」を発表した。3D産業で注目されるスタートアップにはAcquifiやFaceShift、Emotient、そしてもちろんPersonifyなどがある。

関連記事:グーグルの革新的な3Dスマートフォン「プロジェクトTango」:知っておきたい5つの特徴

3Dイメージングの変化はすでに起きており、人々がコンピューターや他の技術を使用する方法においてさらなる大きな変化を牽引していくだろう。企業が今この流れに乗らなければ、取り残されてしまう危険がある。

編集部注:この記事は、没入型のビデオ・テクノロジー企業PersonifyのCEOであり共同創立者、Sanjay Patel氏によってゲストとして執筆されました。

トップ画像提供:Alex Eylar(Flickrより), CC 2.0

Sanjay Patel
[原文]


※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちら


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