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第二回 自分で音を出さないモジュールたち

シンセの信号(しんごう)ってなに? リトルビッツで音を学ぼう

2014年08月02日 12時00分更新

文● 四本淑三

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エンベロープ(envelope)はてつがくてきなモジュールだよ

 世の中の音を、耳をすませて、よーくきいてみよう。鳴り始めてから、鳴り止むまでの間に、音の大きさや高さなど、いろいろとへんかしているよ。

 たとえば、セミの鳴き声とか、風の音とか、ひこうきのとぶ音とか。ずっと同じ、一定した音なんて、世の中には、なかなかないんだ。

 がっきだって、シンバルを「バシャーン」とたたくと、その後は、だんだん音が小さくなっていく。ホルンだったら、音の出始めはやわらかい音だけど、その後でぐぐっと大きくなる。そして息がつづかなくなって、だんだん小さくなる。

 こんなふうに、音は始まりと終りがあって、時間によってへんかしつづけるんだ。それを作り出すのが、このエンベロープというモジュールだよ。なんだかてつがくてきだね。

 音の始まりは、どれくらいの速さで立ち上がるのか。音はどれくらいの時間で小さくなっていくのか。それを2つのつまみで決めるんだ。

【保護者の方へ】アタックとディケイのみのシンプルなエンベロープ・ジェネレーターです。入力されたオーディオ信号の断続に合わせてenvelopeがトリガーされ、オーディオ信号と同時にコントロール信号を出力します。なお他のモジュールから「trigger in」にパルス信号を受けると、そちらを優先してenvelopeはトリガーされます

マイクロシーケンサ―(micro sequencer)は自動でえんそうするよ

 マイクロシーケンサーは、自動でえんそうするモジュールなんだ。人がひかなくてもメロディーが鳴ったり、リズムをきざんだりするんだ。かっこいいだろ?

 4つならんでいるつまみで、えんそうする音程(おんてい)などを決めるんだ。そして、えんそうするテンポも自由にかえられる。じんるいにはふかのうな、ものすごい速びきもできるよ。

 でも、つまみが4つしかないから、4つの音しかおぼえさせられない。だけど、メロディーをえんそうするいがいにも、いろんなことに使えるんだ。リズムマシーンとか、ロボットボイスとか、おうようしだいでいろんな音が作れるよ。

【保護者の方へ】4ステップのアナログ・シーケンサーです。「oscillator」モジュールにつなげばメロディーが鳴り、「filter」モジュールにつなげばテンポに合わせてカットオフが動きます

 【引き続き保護者の方へ】テンポは内蔵クロックの「speed」モードと、他のモジュールからトリガーを受ける「step」モードがあります。また内蔵クロックを出力する「trigger out」を使うと、envelopeを動かしたり、もう一台のmicro sequencerがあれば、同期することもできます。

 面白いのは、オーディオ信号の入力も可能なことです。この場合、4つのツマミは音量を設定します。左に回しきると音量はゼロ、右に回しきると音量は最大になります。これを利用して「random」モジュールのホワイトノイズを入れれば、リズムマシンのように使えます。

(次ページでは、「回路を持たないモジュールもひつようなんだ」

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