このページの本文へ

1.2TBプラッタで変わる!? 3.5インチHDDのトレンド 第1回

最近価格低下の大容量HDD SSDとの使い分けが重要!

2014年08月05日 12時00分更新

文● タトラエディット

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

それぞれのストレージの特性をあらためて考える

 HDDは一昔前にくらべて、PCにおけるストレージの役割はずいぶんと変化してきたように思う。変化のきっかけは、SSDの急成長だ。

 いまや性能を重視した自作マシンはもちろんのこと、メーカー製のノートPCやデスクトップPCでも当たり前に搭載されるようになっている。

 一方のHDDは、OSを格納するメインストレージとしての座は奪われてしまったものの、大容量のデータを保存するには欠かせない存在。そんなSSDとHDDのすみわけについて考えてみたいと思う。

 すみわけを考えるうえで、まずはSSDとHDDのメリットとデメリットを把握しておこう。

データ転送速度はSSDが、最大容量はHDDが
圧倒的に有利

3年前に発売されたADATAのSSD「S510」(右)と、ウェスタンデジタルの最新HDD「WD60EFRX」のベンチマーク結果(右)。SSDは世代的にもかなり古いものの、それでも最新のHDDよりも高速だ

 ストレージを比較するうえでの重要なポイントは3つ。「速度」「容量」「保存性」だ。まずは速度についてはご存じのとおり、SSDは記録や読み出しのスピードがHDDにくらべて圧倒的に速い。

 特にランダムアクセスについては、物理ディスクが回転するHDDにくらべ、メモリーセルへダイレクトに読み書きできるSSDは高速。複数のセルへブロック単位で並列書き込みを行なうなどファームウェア上の工夫もあり、もはやHDDとは雲泥の差となっている。

SSDとHDDの容量別価格帯比較
価格帯 SSD HDD
~9999円 ~128GB ~3TB
1~1万4999円 128~256GB 1~4TB
1万5000~1万9999円 240~256GB 2~4TB
2万~2万4999円 256~512GB 3~5TB
2万5000~3万4999円 256~512GB 4~6TB

 最大容量についてはHDDが圧倒的に多い。先日登場した6TBだけでなく、3TB以上の大容量HDDが市場にかなり出回っている。

 売れ筋のタイプも、3TB以上のものが多い。対するSSDは今年に入って1TBのタイプがちらほらと見かけるようになってきたが、メインストリームは256~512GB。同価格帯のHDDに比べると、かなりの開きがある。

長期保存を考慮するなら保存性はHDDが有利

SSD(左)とHDD(右)では、データの記録方法が根本的に異なる。HDDは磁界の影響さえ受けなければデータが変わることはないが、フラッシュメモリーの場合、アクセスしなければ数年で電子が失われていく

SSD(左)とHDD(右)では、データの記録方法が根本的に異なる。HDDは磁界の影響さえ受けなければデータが変わることはないが、フラッシュメモリーの場合、アクセスしなければ数年で電子が失われていく

 さて、ある意味一番大事なのは保存性だが、これはHDDが有利だ。SSDが採用するフラッシュメモリーは、電源を切っても内容が保存されるのだが、じつのところ長期保存には向かない。

 というのも、フラッシュメモリーの特性として、保存したセルへの電子注入が一定期間行なわれないと、自然と電子が失われてしまい、データを保持できなくなるからだ。

 この期間は、およそ5~10年ほどと言われている。数年前にUSBメモリーに保存したデータが、いつのまにか消えていたという経験をしたことがないだろうか? SSDはUSBメモリーに比べて信頼性の高いセルが用いられてはいるが、決してデータが失われないという保証はない。そのために、データ保持期間が設定されている。

(次ページに続く、「「SSDは通電せずに保存するのが苦手」)

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

ピックアップ

ASCII.jpメール アキバマガジン

ASCII.jp RSS2.0 配信中