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株価好調の日本通信、決算会見で成長のための投資について説明

2014年08月01日 18時30分更新

文● 大河原克行

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モバイル通信のあらゆる要望に応えられる
プラットフォームの維持が最大の課題

日本通信 福田副社長

 会見では、日本通信の福田副社長が、モバイルソリューションプラットフォーム事業の取り組みについて、説明に時間を割いた。

 「日本通信は、数多くのプラットフォームを用意している。それは多くの要求に対して、即座に、短期間にサービスを提供するために不可欠なものだからだ」と前置きし、「イオンやヨドバシカメラ、アマゾンと行なっている格安スマホは、単に端末と回線を用意すればいいというものではない。たとえば、24回分割払いの仕組みはどうするのかといったプラットフォームまで含めて提案する必要がある。ATM事業者からはATMの無線化をしたいという要望に対してもすぐに対応できるプラットフォームを用意している」と説明した。

 さらに、自らの立場をレストランのシェフに例えて、「私のお客様は、すしも食べたい、中華も食べたい、ステーキも食べたいというわがままなお客様。そうしたお客様に対して、材料を用意して、いつでも提案できるようにしなくてはならない。この材料に当たるのがプラットフォームである。今後は、これを何倍にも加速して、材料となるプラットフォームを幅広く用意しないと、商談に追いつかない。夜、目が覚めるのはお客様の要望に対応できないという悪夢のため。我々のビジネスは、こちらから売りにいくのではなく、買いに来てもらう手法。社内には営業職は誰もいない。商談の数、内容、スピードについては心配していない。対応できないほどである。あらゆる料理を迅速に提供する環境を維持し続けることが最大の課題である」と語った。

 現在の同社は、格安スマホをイオン、ヨドバシカメラ、アマゾンの3社に展開しているが、それぞれに販売手法、分割払いのプラットフォームなどが異なるという。

イオン、ヨドバシ、アマゾンという形態の違う量販店でSIMとスマホのセットを販売しているが、それぞれに異なる仕組みにすぐに対応できるプラットフォーム作りが大事だとする

 「SIMビジネスはコモディティー化しやすいと言われ、MVNO同士の競合も激しくなっている。しかし、MVNOの競争環境を生んだのは当社であり、それを最も理解しているのも当社である。そこでの差別化はなにか。それは、モバイルソリューションプラットフォームであり、他社にはないソリューションを提供できる点である。日本通信は、回線を借りてビジネスをやっているのではなく、プラットフォームを提供するテクノロジーカンパニーである」と述べた。

アマゾンで販売するグローバルな格安スマホ
この動きはさらに加速化する

 一方、日本通信の三田聖二社長は、8月1日から販売を開始したアマゾンの格安スマホについても言及。「いよいよ本格的に格安スマホが始まる。今回の製品はすばらしい製品。これが2980円で、音声通話も、LTEサービスも利用できる。競争力を持ったビジネスになる」と発言。

8月1日からはついにアマゾンでも販売を開始

 福田副社長は、「アマゾン向けに提供するLGのG2 miniは、最新のスマホである。日本固有のおサイフケータイやワンセグといった機能は搭載していないが、これはすべての顧客が必要としているわけではない。これはグローバルモデルであり、LGが本気になって日本市場に投入してきた。これまでは大量に調達する大手キャリアとの取引関係から、MVNOに端末を提供できないというデバイスメーカーがあったが、SIMロック解除義務化の動きに伴って、動き始めている。今回のLGの取り組みも、すでに日本市場にフォーカスしはじめたことの表われだ。単にキャリアのブランドを取った端末を提案するのではなく、格安スマホに最適化した最新のグローバルモデルを提案するメーカーが増えている」と語った。


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