寄付したお金の使い道を指定できる
いくちょん 最初から特典や特産品がもらえたんですか?
須永 元々はなかったはずです。どこが一番最初に始めたのかわかりませんが、毎年、多額の寄付をしてくれる人がいたら、自治体も何かお礼をしたいという気持ちになってきますよね。そこで特産品を贈るようになって、今みたいにお礼の品が拡大した形ですね。
ふるさと納税の特典
都市部から地方への恩返し的な役割を担っていたふるさと納税だが、現在では一定以上の寄付に対し、米や肉などその地方の特産品を特典としてつける自治体が多くなり、寄付する側が所得控除以上のメリットを受け取れるようになった。そのため制度を利用する人が年々増えている。
編集K ふるさと納税って、やってる自治体はきちんと儲かるんですか? 特典を多く出したら、全然税収が増えない気もしますが。
須永 よく言われますが、基本的にかなりプラスになります。例えば、私が1万円をある市に寄付して、特産品として牛肉が送られてくるとします。豪華なところですと5000円相当にもなりますが、それって自治体が市内の業者や生産者から5000円で買い上げていることになるので、作る側は潤いますよね。
いくちょん 税収だけじゃなくて、地域活性みたいな効果もあるんですね。
須永 そうです。あとは配送料や寄付件数が増えているので、アルバイトなどを雇う間接費用も10〜15%ぐらいはかかりますが、それでも3000〜4000円は自治体に残るわけです。このお金にはすごく価値があります。今まで自治体内にある企業や住民から税金を頂いて、その中でやりくりしなきゃいけなかったのが、その自治体に住んでない人からも「外貨」を稼げるようになったんです。
編集K 予算が増えるわけですね。それ、何に使ってもいいんですか?
いくちょん 寄付する側がそのお金の使い道を指定できるんですよね。
須永 そうなんです。市政全般や教育、福祉、町づくりといった感じで、ある程度の枠が設けられていて選べるんです。
編集K というか、いくちょんスゴイ。調べてきてますね!!
いくちょん 感動したんですよ! 超お得じゃんと思って。
須永 お得なだけじゃなく、寄付する側がこの自治体のこの使い道に使ってくださいって指定できるんですよ。
編集K それ、いいですね。
宮原 僕は鹿児島の出身なんですけど、県と市町村が一緒になってパンフレットを作っていて、その中で番号を選んで使い道を選べるようになってましたね。
(次ページ、「お肉や米だけでなく、花火観覧席や旅館優待も!」に続く)
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