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日本のITを変える「AWS侍」に聞く第4回

九州発、東京経由、山形着で追い求めたSEとコミュニティの形

潜り先は雲へ!JAWS-UG山形の赤塚さんが目指す地元志向

2014年08月04日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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小さいコミュニティが連携してやりたいことを実現

 大阪や東京のJAWS-UGの活動を見てきた担当だが、東北のITの現状はどうか? 赤塚さんは「やはり東京、大阪、福岡、札幌があり、東北はその次という感覚。ただ、東北大学や会津大学、東北芸術工科大学などがイノベーション面を担っていて、数は少ないですが、スキルの高いエンジニアがいます」と語る。

 こうした中、JAWS-UG山形では5~10名程度の勉強会を定期的に開催している。フロントエンド系の開発者やWebデザイナーが多いため、Amazon S3や網元の活用でスピーディなサービスを展開できるといったネタがメイン。また、県境を気にせず、やりたいことを小さいコミュニティ同士で実現しているのが東北のコミュニティの特徴だ。「JAWS-UG会津の立ち上げにも関わったし、仙台にもちょくちょく顔を出します。会津大学の先生とコネクション121(国道121号線)というコミュニティを進めていたり、人の少なさを連携で補っています」という。

「人の少なさをコミュニティ同士の連携で補っている」(赤塚さん)

 課題としては、やはり東京以外で必ずぶち当たる人数の問題。「サーバー構築のエンジニアはそれなりにいますが、コミュニティや勉強会に参加しないという人は多い」(赤塚さん)という。とはいえ、自身がやりたくて立ち上げた内容なので、数にはあまりこだわってない。参加しない人を参加させるのは確かに労力がかかる。

 むしろ赤塚さんは地元企業のエンジニアではない人たちを誘っているという。「クラウドの初期って、ユーザーの方がクラウドを知っていて、なんでクラウド使わないんだとSIerが慌てたという例があったので……。クラウドがあれば、専門のエンジニアを抱えずに、もっと柔軟で、スピーディな経営ができる」とのことで、“インスタンス”などの用語を使わず、クラウドについてわかりやすく紹介している。

 重要なのは、クラウドはあくまで手段で、上に載るサービスという点だ。イノベーションの恩恵を受けていない事例として、赤塚さんは地元ならではのスキービジネスを引き合いに出す。「たとえば蔵王のスキー場って、クレジットカード使えないんです。でも、1日分のリフト券って4000~5000円する。全部現金が必要だから、お客様は温泉入って、ご飯は食べても、おみやげの衝動買いまではできない。これって買わせそびれ、売りそびれなんですよ」(赤塚さん)。これに対して、たとえば自身がエバンジェリストを務める電子決済サービスの「Coiney(コイニー)」を使えば、ビジネスは大きく変わる。赤塚さんはこうしたCoineyのほか、Google Apps/Gmail/Google Analysticsなどのサービスを積極的に紹介し、クラウドへの関心を高めている。

コミュニティであれば失敗を繰り返せる

 赤塚さんにとって、コミュニティはあくまで自分のためのものだという。「コミュニティリーダーまでやろうと思ったのは、あくまで自身をブーストさせるため。人に会う、ブーストする、行動するの連鎖が自分が成長するためのエコシステムになっている」と赤塚さんは語る。

「コミュニティリーダーまでやろうと思ったのは、あくまで自身をブーストさせるため」(赤塚さん)

 コンピューターサイエンスを学んだわけでもなく、ゲーム好きというわけでもない普通のエンジニアが、小さいながら会社の社長になったり、まがりなりにも食べていけるようになったのは、やはり今の職業へのこだわり、そしてコミュニティの力だ。「コミュニティをやるため、仕事を両立どころか、仕事を3倍くらい速く終わらせようと思う」(赤塚さん)。また、失敗できるのもメリット。「人前で話したり、ハッカソンでも、小さいチャレンジを繰り返して、ビジネスに活かすことができる」(赤塚さん)というのも大きいという。

 そして、赤塚さんが田舎に戻ってきて思ったのは、コミュニティの存在感だ。「田舎って、なんとか団体とか、なんとか組合とか、さまざまなコミュニティが網の目のように張り巡らされています。煩わしい人にとって見れば、煩わしいんですけど、セーフティネットが確実に存在しているとも言える。仕事がなくても、社会へのチャネルが用意されているんです」(赤塚さん)。JAWS-UG山形も、会社や仕事の関係とは別のこうしたコミュニティの1つとして存在させていきたいという。

 そんな赤塚さんが現在注力しているのが、9月6日(土)に仙台で開催される「JAWS FESTA 東北物産展」。大阪でも大盛況だったイベントを始めて仙台でやるということで、全勢力を注いでいるという。ぜひ注目してもらいたい。

9月6日(土)はJAWS FESTA Tohoku 2014~東北IT物産展~へGo!

 東北のみならず全国で活動するITコミュニティがJAWS-UGを中心にジャンルの枠を超えて集結する、コミュニティによるコミュニティのためのお祭り「JAWS FESTA Tohoku 2014」が地方から日本の未来を変える!この歴史的な第一歩をみんなで楽しもう!!

「JAWS FESTA Tohoku 2014~東北IT物産展~で僕と握手!」(by赤塚 ヅラバージョン)

 人気スピーカーの講演・AWSの初心者ハンズオン・女子会・官民による地場産業のIT活用事例・地域の課題を楽しく真面目に考えるアンカンファレンス・Webデザイン・ものづくり・明日から現場で使える最新改善テクニックなどなど、子供から大人まで楽しく参加できる企画が満載です!(サイトより抜粋)

「JAWS FESTA Tohoku 2014~東北IT物産展~」の詳細はこちら!

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