このページの本文へ

クラウド時代を象徴する、Chromebook特集 第1回

Googleの独自OSを搭載し、ブラウザー上であらゆる操作を行う

破壊か革命か、低価格PC「Chromebook」を知る

2014年08月23日 12時00分更新

文● 松野/ASCII.jp編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

あらゆる操作がブラウザー上で完結する超低価格パソコン

 あらゆる操作をウェブブラウザー(Chrome)で実行し、データはクラウド上に保管する――これがChromebookの基本的な利用方法だ。

こちらはASUS製Chromebook。現在国内向け展開には5社が名乗りを上げている

 Chromebookに搭載されているOSは、米グーグルが独自に開発した「Chrome OS」。ブラウザー上でウェブアプリケーションを使用することに特化している。

 「Googleカレンダー」や「Gmail」「Google+」など、Google Appsの基本的なアプリがプリインストールされている。また、オフライン時にも利用できるアプリも存在するため、常にインターネットに接続しなければ使用できないというわけではない。

 オフラインで編集したファイルの情報は、インターネット接続時に自動で更新される。また、Chromeウェブストアを経由して機能を追加していくことも可能だ。

 操作はChromeブラウザーのみを立ち上げればいいため、CPUやメモリー性能がそれほど高くないPCでも快適に動作する。データの保存も「Googleドライブ」などクラウドストレージの利用が推奨されているため、本体ストレージ容量の削減も可能だ。各メーカーがリリースするChromebookはSSDを搭載しているが、その容量はなんとわずか16GB程度だ。

 大ざっぱに言えば、端末では必要最低限の処理のみを行い、サーバー側に処理を集中させる、いわゆる「シンクライアント」的な使い方をするパソコンだと思ってもらえばいい。本体にストレージを備え、オフライン利用も可能なため、まったくのシンクライアントデバイスではないのだが、限りなくそれに近いものだとは言えるだろう。

 この割り切ったコンセプトのメリットは、言うまでもなく低価格化である。

 現在アメリカで提供されているChromebookは200~300ドル程度のものがほとんど。日本円にして約2~3万円で購入でき、ネットサーフィンやOfficeアプリを使った基本的なビジネス作業がこなせるのだから、人気が集まるのも当然だろう。

 特に法人や教育向けの導入が進んでおり、特定期間のみの集計だが、米国のビジネス環境ではすでにシェア20%以上を獲得、5台に1台のPCがChromebookになっているという(米NPDグループの調査2013年11月の法人向けPC・タブレットの出荷台数でChromebookは約9.6%に成長、ノートPCのカテゴリーでは約21%のシェアを占めた)。

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン