このページの本文へ

Facebookカレー部員とともに良品計画の担当者に直撃取材!

本物へのこだわりと溢れるカレー愛が生んだ無印良品のカレー

2014年08月13日 17時00分更新

文● 大谷イビサ/ASCII.jp編集部 協力●Facebookカレー部 写真●曽根田元

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

「パウダー使ってるから美味しくない」と言われた

カレー部 吉越:無印良品のカレーって、本格志向ですよね。

「無印良品のカレーって本格志向ですよね」(カレー部 吉越)

無印良品 渡辺:はい。当時知られてなかったグリーンカレーからスタートしたこともあり、現地の味をなるべく紹介したいというのが基本にあります。特にバターチキンは1つの転機で、それからインドまで食べに行くようになりました。こういうモノを作りたいということで、製造をお願いするメーカーさんといっしょにチームを組んで開発しています。

カレー部 大谷:開発で一番苦労しているのはどこですか?

無印良品 渡辺:いっぱい苦労していますよ(笑)。なにより、現地で“頂点”を見ているので、絶対そこにたどり着きたいという思いがあるんです。レトルトだからといって、妥協はしていないのですけど、こだわった結果、値段が上がって商品化まで持って行けない場合もあります。

「現地で頂点を見てるので、絶対そこにたどり着きたいという思いがあります」(無印良品 渡辺)

カレー部 大谷:値段は苦労しそうですよね。買ってもらえないと意味がないですからね。

無印良品 渡辺:買ってもらえないのも意味はないのですけど、売って赤字でも意味がないので(笑)。ですから、試作の回数はものすごく多いです。現地の工場に行って、開発室でいっしょに計量するところからやることもあります。

特にタイカレーの時は苦労しました。ポイントはココナッツミルクなんですけど、日本でやる限り、パウダーで作るしかなかった。でも、現地で料理の先生に食べてもらったら、一口食べただけで、「これパウダー使っているから美味しくない」と言われました。

カレー部 一同:キタ――(゚∀゚)――!!

無印良品 渡辺:美味しいと思って作ったモノを頭から否定されたので、けっこうショックでした。そこから、どうやってフレッシュなココナッツミルクを入手するかを考えました。

カレー部 新妻:本物への道は厳しいですね。

「本物への道は厳しいですね」(カレー部 新妻)

無印良品 渡辺:作り方も私たちが知っていたものと違って、ペーストをかなり炒めるんです。油が出るのが、タイカレーの美味しいポイントで、辛みも、香りも炒めることで出るんだと。でも、工場は大量にやるので、どうしても焦げてしまう。そこをどうするか、ものすごく苦労しました。

カレー部 宗野:どこの工場で作っているんですか?

無印良品 渡辺:ペーストはタイなど現地の工場です。ココナッツミルクは日本に輸入して、具材といっしょにパッケージングしています。

カレー部 宗野:ずいぶん、手間がかかっているんですね。現地でパッケージングするのは難しいんですか?

無印良品 前:できないことはないですが、日本の方はコントロールしやすいので。あと、レトルトは日本の技術の方が高いです。現地でやると、レトルト臭くなってしまいます。

無印良品 渡辺:一度、向こうでレトルト買って食べたんですけど、正直、食べられる感じではなかったですね。

「辛いカレーは辛く」がスタンス

カレー部 吉越:商品化に関して、社内でもめることはあるんですか?

無印良品 渡辺:商品化がいったん決まればほとんどもめないんですけど、グリーンカレーだけは最後の最後でもめて、最初は10辛くらいだった辛さを調整しました。ただ、今も5辛といいながら、8辛くらいんなんですけど……。

カレー部 全員:えー! 5辛だけど、5辛じゃないんだ(笑)。

「えー! 5辛だけど、5辛じゃないんだ(笑)」(カレー部 一同)

無印良品 渡辺:一応、使っているスパイスの質と量を見て、辛さは決めています。あと、チェックするスタッフがいて、辛さの違うカレーと食べ比べるとか……。本格的なんだけど美味しいという辛みの調整は毎回苦労しています。

カレー部 吉越:私の周りでは、辛みがもっと欲しいというリクエストがありました。辛みソースを加えるとかして欲しいなあ。

無印良品 渡辺:そうなんですか? 逆にグリーンは辛すぎて食べられないとか、辛くないグリーンカレーを出してくださいとか言われます(笑)。

カレー部 大谷:辛くないグリーンカレーって、グリーンカレーじゃない(笑)。

無印良品 渡辺:そうなんです。われわれとしてはグリーンカレーは辛いカレーだから、辛くないグリーンカレーは出しませんというスタンスです。逆にアメ色玉ねぎのカレーやバターチキンは本来辛くないカレーなので、辛くないんです。一番いいところで食べて欲しいなあと。

カレー部 宗野:お客さんの声も取り入れているんですね。

「お客さんの声も取り入れているんですね」(カレー部 宗野)

無印良品 前:サイトの「暮らしの良品研究所」の声は必ず見ています。あとはお店のスタッフを通したレポートが挙がってくるので、それはすごく参考にしています。量とか、辛さとか、復活のご要望とか。

カレー部 大谷:ちなみに、お二方の好きなカレー屋はどこなんですか?

無印良品 渡辺:会社の近くの「エー・ラージ(A・Raj)」(東池袋)とか、新大塚の「カッチャル バッチャル」とか、好きです。

無印良品 前:あと、沼袋の「タンドール」のカレーとか、個性的で、すごく美味しかった。当然、私たちもああいったとんがったカレーも作りたいんと思っちゃうんですけど、それだとニッチになりすぎちゃう。そこはいつも葛藤ですね。

「とんがったカレーも作りたいけど、ニッチになってしまう。そこはいつも葛藤ですね」(無印良品 前)

(次ページ、手作りキットはすごく簡単で美味しい!)


 

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

ASCII.jpメール アキバマガジン

クルマ情報byASCII

ピックアップ