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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第39回

グーグル製ゲーム「Ingress」 今年の夏は陣取り合戦で熱くなろう

2014年07月26日 17時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura

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アイテム課金はないものの
実世界での自分への投資が必要

 リアルな行動と現実世界の地図を元にしている、という限られた中で展開されているIngress。現在のところ、オンラインゲームにありがちな、武器や装備を強化するアイテムのアプリ内販売などはありません。しかし現実世界を動き回ることになり、この暑さときたら、実世界での購買で自分の体を守らなければなりません。

 とにかく、この夏空の下を歩き回るのですから、暑さ対策は必須です。帽子、タオル、日傘、冷たい飲み物、冷却剤など、スポーツをするのと同じ装備が必要と言えます。失われた水分やミネラルの補給のために、スポーツドリンクなども重要でしょう。梅干しや塩飴なんかも良さそうです。

 またお腹が空いたらどこかの店屋に入って食事をしなければならないでしょう。涼しい喫茶店などでの休息もおすすめです。もし近くにポータルが密集していると、5分おきにハックできるので、うまく活用すると良いのではないでしょうか。

 加えて、スマートフォンのバッテリーもケアしなければなりません。ディスプレーを点灯させっぱなしでGPSの位置情報を活用し続けると、バッテリーは驚くほどよく減るようになります。外部バッテリーがあると、日常生活に支障を来さずに済むのではないでしょうか。

 ちなみに筆者は、愛用しているブランドの靴を5年ぶりに新調したばかりでした。もともと歩きやすくて壊れにくい靴なのですが、ぜひとも、歩きやすい靴で、正しいフォームで歩くことをおすすめします。

レベルが上がってから、飽和してからが楽しい

 このゲームは、現実世界にゲームの仮想レイヤーを重ねたストーリー。ゲームそのものの仕組みに興味を引かれてプレーを続けることにしました。

 ときどき、自分がチームの色に変えたポータルが、その場で敵に打ち崩されて違う色に変わっているなんてこともあり、ポータル近辺でスマホを使っている人がすべて、「敵のエージェント」に見えてくるから不思議です。Ingressには、自分のポータルを敵に攻撃されるとメールが届くようにできるほか、アプリ内のコメント機能「COMM」でも確認することができます。つまり「敵から攻撃を受けている」と言うことが手元でわかるのです。

 また、自分が住んでいるエリアは、自分のチームの色のエリアにしたいという征服願望も芽生えてきます。ここまで書いてくると、ゲーム内にのめり込んでいるだけですが、実世界の思考が中二病として描かれるセリフと一致してしまっています。なんということでしょう……。

地元バークレーのマップ。http://ingress.com/intel/ にアクセスしてログインすると、パソコンでIngressの元凶マップを見ることができます

 東京はAndroid時代からやっていたとみられる猛者も多く、プレイを始めて1週間はなかなか思うように貢献できなかったのですが、くまなくポータルをハックしてアイテムを集め、破壊できそうな場所を破壊し、リンクを張り巡らすべくポータル間を往復する、といったことをしていくと、だんだんゲームそのものが楽しくなってきました。

 だんだんレベルが上がるにつれて、他のユーザーのレベルも上がり、だんだん街のポータルが強化され、これが壊され、ということが続くようになるでしょう。世界を作り上げるフェイズも面白いのですが、これを壊しながら再構築するフェイズもまた、手に汗握る戦いになるはずです。

バークレーの名店「チーズボード・ピザ・コレクティブ」の行列(左)とIngressのマップ(右)。このあと、青かったチーズボードのポータルは崩されるのですが、この写真に写っているひとが緑のエージェントじゃないかと考えると……

 また、秋ごろに、Ingressについて振り返りたいと思いますが、その頃の東京や日本はどうなっているでしょうか。ぜひ皆さんも、Ingressで新米エージェントとしての活動をスタートしてみて下さい。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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