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PCにデジカメに4Kカメラ! この夏買いたいお買い得デジタル製品 第3回

3万円台の4Kカメラと4万円のハイレゾレコーダーで夏休みを満喫!

2014年07月26日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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バイノーラル録音の臨場感はまさにその場にいる感じ!

道路では、横を走り抜ける車の移動する感じがリアル。暗い場所では少々映像がノイジーになりやすい

道路では、横を走り抜ける車の移動する感じがリアル。暗い場所では少々映像がノイジーになりやすい

 映像もかなりしっかりと撮れていることもあり、120インチとはいえ、視野の中に画面全体が収まる視聴位置では、どうも主観映像っぽさが足りない。そこで、スクリーンにぐっと近づき、視聴距離で1m未満になるところまで寄って見た。

 4K解像度だとここまでスクリーンに近づいても画素が目立つことはない。画面の周囲は視野をはみ出してしまうことになり、目玉というより顔を動かさないと画面の端が見えなくなるが、逆に言うと視野の100%をスクリーンの映像が占めている状態になる。

 ほとんど画面の中央あたりしか見えないわけだが、広角で撮られたこともありちょうど見た目の視野に近い見え方になる。「主観視点の映像キタ!」と思わず興奮してしまった。その見え方や細かなディテール感はまさに見たままの景色。4K映像は近接視聴こそが醍醐味と言いたくなるような素晴らしさだ。

 さすがに近くに寄りすぎているため、MPEG-4 AVCの圧縮による微小なブロックノイズや細部のディテールの潰れ感まで目についてしまうのは痛しかゆしだが、この真に迫ってくる感じはかなり魅力的だ。

 そして、バイノーラル録音の生々しい再現がその臨場感を倍加してくれる。CS-10EMのストレートな音色もあり、周囲の音は鮮明にしてリアル。DSDらしい生の感触をそのまま伝える音と相まって、昼間に歩いた場所の雰囲気が家の中で蘇った。

木立を抜けてひらけた場所へ出た。バイノーラル録音の音声では木々のざわめきの広がり感が大きく変わる。開放感のある音場となった

木立を抜けてひらけた場所へ出た。バイノーラル録音の音声では木々のざわめきの広がり感が大きく変わる。開放感のある音場となった

 圧巻だったのは、背の高い樹木の上の上で泣く鳥の声に合わせて視点を上に向けた時。木々に囲まれ、そのざわめきが降り注ぐように感じられていた音が、空の見える開放的な映像と同じく見晴らしのよい音場感になり、木々のざわめきは横から後方にかけてやや低い位置で聞こえるように変化した。

 この音場の立体感はバイノーラル録音の特徴がしっかりと出ている。DSD収録としたことで空間感や音の広がり、微小な音まできめ細かく再現されることもあり、バイノーラル録音の立体的な音場がよりしっかりと味わえた。

 やはり4K映像には、ハイレゾ音声やサラウンド再生がふさわしいとはっきりと確信できた。4Kコンテンツの現場でも、4Kの高精細な映像は従来のテレビのような引いた画角でなく、より主観映像に近い寄りの映像の方が臨場感が高まるという声もあるようだが、それならば、音もより主観的になるべきなのは間違いない。

 これは個人的には大収穫で、今回紹介した3つのアイテムは読者の方々にお勧めするというより、自分が真っ先に購入したいアイテムであるということを確信してしまった。

自分で映像や音を録る喜びが倍増する
4K&ハイレゾをぜひこの夏体験しよう

 4Kビデオカメラで、映像を撮る楽しみはますます高まったと感じていたが、これにハイレゾ音声によるバイノーラル録音が加わったときの驚きは当初の想像以上だった。

 ちょっとした散歩の映像でこれだけ感激できるならば、スポーツやさまざまなイベントの撮影で活用すれば、よりリアルで生々しい映像と音が撮れるはず。再生機器の準備や編集など、少々ハードルの高い面もあるが、それを乗り越えて楽しむ価値がある。これまでのビデオ撮影の楽しみが倍増する体験をぜひともこの夏味わって欲しい。

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