「tv」タブでテレビを視聴
放送画質は十分なレベルだが3倍モードは少々不満あり
最後の「tv」タブはテレビ視聴画面となり、直前に選んでいた放送の画面に切り替わる。テレビ放送の開始や、チャンネル切り替え時の時間は3~5秒ほどと、一般的な薄型テレビやBDレコの感覚からするとやや長い。
これはDLNAによるネットワーク経由だけに仕方がないところだろう。torneによるPS3やPS4での視聴はこのあたりも驚くほど速いが、専用機向けのかなり手の込んだ情報のやりとりが行なわれているためで、Windows PCではさすがに同様の快速さは得られなかった。
ただし、画質に関しては十分なレベルだ。放送特有の各種デジタルノイズなどはあるものの、ざわざわとしたノイズなどの少ない見やすい映像。フルHD解像度のモニターで全画面表示にしていると、やや解像感の甘さを感じることもあるが、実用上不満は感じないレベルだ。
気になったのはネットワーク接続速度による影響だ。自宅で使っている無線LAN環境(IEEE 802.11b/gが混在)での接続を試したところ、ネットワーク接続速度が遅いと画質(転送レート)を下げて配信するようで、放送中の番組の視聴でも3倍録画相当の画質になってしまった。特に無線LAN環境で使用する場合は、5GHz帯など空いている帯域を使わないと画質に不満が出やすいだろう。
同様に、3倍モードの画質もやや物足りない。現在のBDレコーダーのAVCエンコードなら、3倍モードならばDRと比較してほぼ遜色のない画質での記録ができるのだが、ここでの3倍モード録画の番組の画質は、テロップ周りのモスキートノイズの発生や遠景の景色が甘くなるなど、少々劣化感が目立つものに感じた。
PC TV wth nasne自体も、ソフト側での画質改善はあまり行なわず、nasneから送られてきた映像データをストレートに表示する傾向なので、録画時に劣化が生じてしまうとどうしても目立ちやすい。
このあたりはPCの描画性能やグラフィック処理能力にも依存するので難しいだろうが、それなりの画質改善も行なってほしいと感じた。
PCらしく細かな設定で
さまざまな環境に合わせたカスタマイズが可能
さて、最後に設定画面を見ていこう。PC TV wth nasneのインターフェースは基本的に薄型テレビ的なシンプルな構成で使いやすいが、番組表の表示設定のように細かくカスタマイズすることもできる。
このあたりが、表示画面サイズや解像度、CPUの処理能力などに差があるPCらしい部分だろう。初期状態で快適に使えるならば、そのままでいいが、より使いやすくしたいならば設定を一通り見ておくといいだろう。
画面の右上部にある設定アイコンをクリックすると、「nasneの設定」と「ソフトの設定」の2つがある。nasneの設定は、NASとしての設定やハードディスク管理、ネットワーク設定や放送受信設定などが行なえる。こちらは、初回起動時に一通り設定を済ませればほとんど使うことはない。
また、より専門的なNASの設定をする場合は、「nasne HOME」に移行することもできる。これはブラウザーからアクセスするnasne自体の設定画面を表示するためのボタンだ。
(次ページに続く、「画面の表示モードを変更」)