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ナデラCEOはパートナーになにを伝えたかったのか?

全デバイスでのシェアは14%!マイクロソフトはチャレンジャー

2014年07月22日 09時00分更新

文● 大河原克行

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すべてのデバイスではわずか14%のシェアしかない

 もうひとつ、今回のWPC 2014において、同社が示したのが、「チャレンジャー」であるという点だ。日本マイクロソフト デベロッパーエクスペリエンス&エバンジェリズム統括本部長の伊藤かつら執行役は、開催初日のケビン・ターナー氏の基調講演での発言を捉えて次のように語る。

日本マイクロソフト デベロッパーエクスペリエンス&エバンジェリズム統括本部長 伊藤かつら執行役

 「初日の基調講演において、マイクロソフトはPCでは9割のシェアを持っていたが、すべてのデバイスを対象にした場合にはわずか14%のシェアしかないことを明らかにした。社内では語られていたことだが、これをパートナーの前で話すとは思わなかった。もはや、マイクロソフトは帝国ではない、いまのままで競争力がないということをパートナーに対して明確に示したものになる。これまではWindowsさえ知っていればいい、というのがパートナーに対するマイクロソフトの基本姿勢。しかし、14%のシェアしかないということは、マイクロソフトに興味がない技術者の方が多い、というのと同義語である。そうした危機感を社内外で共有したイベントだった」。

全デバイスという観点ではシェアはわずか14%

 だが、その一方でこうも語る。

 「サティアが打ち出した新たな施策によって、マイクロソフトに対して関心を示し始めた開発者が増えてきた。Windowsには、まったく興味がなかった技術者が、『あれっ、マイクロソフトの動きは少し面白いことになってきたな』という反応が出てきた。製品開発には時間がかかるため、すぐに変化が起きるわけではないが、新たな胎動を感じている」

 Mobile first,Cloud firstをベースにした相次ぐ施策の数々は、開発者たちの心を動かしはじめているようだ。その点は、日本マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部長の佐藤久業務執行役員も異口同音に指摘する。

日本マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部長の佐藤久業務執行役員

 「オラクル、SAP、Salesforce.com、EMC、ネットアップ、シスコシステムズといった競合していた会社との協業が相次いで発表され、いまやクラウド時代を一緒に推進してくパートナーとなっている。大きな地殻変動が起こっている。それが浮き彫りにされたのが、今回のWPCではなかっただろうか」

 そして、マイクロソフト社内にも大きな変革が起こっていることにも言及する。「サーバーやクラウドといった縦割り組織の仕組みから脱却し、さらに製品の枠を超えた会話ができる社内体制へと変わってきた」というのがその理由だ。

 それを示す象徴的な出来事がWPC 2014で見られた。

Microsoft Worldwide Partner Conference 2014の基調講演の様子

 初日の基調講演に登壇した米マイクロソフト オフィスディビジョン コーポレートバイスプレジデントのジョン・ケース(John Case)氏は、Office 365だけの話に留まらず、Microsoft AzureやCRM Online、Intuneといった領域にまで話を展開した。これはOfficeという担当の枠を超えて、クラウドという枠で話を進めたものだった。いわば組織の壁を超えた連携が行なわれていることを示すプレゼンテーションでもあったのだ。

 「サティアがCEOに就任したこの2014年は、今後数年後に振り返ると、きわめてエポックメイキングな年だったということができるのではないか」と佐藤業務執行役員は語る。

 ナデラCEOの基調講演にはサプライズはなかったが、就任5カ月目の新CEOが打ち出した重要なメッセージは、WPC 2014を通じてパートナーに伝わったようだ。

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