プロセスロードマップの最後は、インテル以外のファウンダリーの、主にロジックプロセスに関する近未来展望を紹介したい。ファウンダリー別に紹介するより、プロセスノード別の方がわかりやすいので、これにそって説明していきたい。
各社の主力となった
28nmプロセスノード
当初の予定を超えて、長く使われることになりそうなのが28nmプロセスノードである。元々業界では32nmノードの開発を予定していたが、インテルとサムスン、それとIBM/GLOBALFOUNDRIESのPD-SOIのみが無事に立ち上がっただけで、業界全体としてはこれを飛ばして28nmに移行してしまった。
もうすこし正確に書けばTSMCは32nmプロセスを当初開発していたものの状況は芳しくなく、大分当初の予定から遅れることになってしまった。これもあってTSMCは32nmをスキップし、32nmのハーフノードである28nmに注力した。
その28nm世代の口火を切ったのはTSMCであり、2011年10月に量産開始の発表をしており、翌2012年の第1四半期末あたりからこれを利用した製品が次第に市場に出始めつつあった。
もっとも、この時期はまだTSMCも十分な量産体制が取れなかったことにより、「確かにモノは出てきたけれど、少数だけ」という状況はその後半年あまりも続いた。この期間、TSMCは猛烈な勢いで生産量を増やす手はずをとった。
元々TSMCは28nmに関してFab15/phase 2を利用して製造していたが、これに加えてFab15 Phase 3/4を同時に立ち上げることで生産量を急速に増やした。この結果、2013年にはほぼ同社の28nmラインの行き詰まり状態は解消している。
続いて28nmの量産に成功したのがサムスンである。同社はアップルのA7に先んじて、自社の「Exynos 5410」を28nmで量産を開始し、これを搭載したGALAXY S4を2013年3月に市場投入している。
続いて2013年9月には、ご存じ「Apple A7」を搭載したiPhone 5sが市場に出てきている。逆算すれば、2012年後半には同社の28nmプロセスの量産が開始され、A7の量産開始は2013年の2~3月頃と推定される。
これだけ見れば、TSMCに比べてやや遅い程度であるが、実際には同社のExynosシリーズとAppleのA7以外にあまり製造されていないのは、とにかく同社の歩留まりが低かったから。一説によれば、量産当初の歩留まりはTSMCの半分強だったらしい。さすがに最近は多少改善したもようだ。
3番手がGLOBALFOUNDRIESである。同社は28nmはSLP(Super Low Power)を先行させ、2012年末に量産を開始、最初の量産製品は2013年3月末~4月頃に同社から出荷された。同社の場合、元々28nmプロセスはSLP/LPH/HPPという3種類のプロセスが予定されていた。
まずSLPに注力、次いでHPP(High Performance Plus)をリリース、最後にLPH(Low Power, High Performance)という順序でプロセスを立ち上げる予定であった。このLPHは、ちょうどTSMCのHPM(High Performance Mobile)に近い特性となる予定だった。
これがどうなったかというと、まずLPHが完全に消えてしまった。その代わりに投入されたのが、AMD向けとなる32nm SHP(Super High Performance)である。同社は32nm SOI世代でやはりAMD向けにSHPを提供してきたが、当初28nmではこれはなく、HPPで利用できるはずだった。
ところが、やはりHPPではAMDの希望するパフォーマンスが出ず、結果としてHPPを更に上回る高性能向けプロセスを別途用意する必要に迫られた。これがSHPであり、これの開発のためもあってLPHが吹き飛んだという側面もある。
別の側面としては、TSMCの28nm HPMと比較して提供時期が遅れたため、主要なモバイルSoCベンダーがどこもLPHを選択しなかったという事情もある。SHPはAMD向けのいわば専用プロセスであり、一般の提供はSLPとHPPのみとなっているのが現状だ。
次のページヘ続く (UMCとSMICが市場に殴りこみ)

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