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Apple Geeks 第149回

4K対応「UHD Blu-ray」「MovieNEX」—ディズニーのiTunes Store配信一時中止で見えてきたこと

2014年07月12日 11時00分更新

文● 海上忍(@u_shinobu

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iTunes Storeが目指すべき方向は

 ここまでの話をまとめると、音質やサラウンド/3D対応の有無などディスク版(Blu-ray)のほうが充実している、むしろiTunes Storeのほうが割高だということになるが、もちろんメリットがないわけではない。

 たとえば、7月11日リリースのiTunes 11.3からサポートされた「iTunes Extras」は、タイトルによって差はあるが、イメージギャラリーや監督の解説などさまざまな特典が付いてくる。以前購入したもの(HD版)について、入手可能になった時点で自動追加されるとのことで、買い直す必要はない。7月11日現在、26タイトルとわずかだが、他で入手できない特典があれば敢えてiTunes Storeでダウンロード購入する動機にはなるだろう。

iTunes 11.3からサポートされた「iTunes Extras」。ダウンロード版(HD)にのみ、メイキング映像などの特典がもれなく付いてくる

iTunes Extrasの特典は映画によって異なるが、監督による作品解説や予告編といった映像が中心だ

 しかし、それでも、ディスクと比較すると特典の内容は弱い。ネットでの再生権が付いてくるMovieNEXと比べればなおさらだ。しかも価格競争力がないとくれば……。これは個人的な希望だが、iTunes Storeには「ダウンロード」ではなく「ストリーミング」、「購入」ではなく「レンタル」の充実を目指してほしい。

 ハリウッドが今もディスクに利用価値を認め、次世代規格を制定する段階から影響力を行使していること、すでにMovieNEXのような「ネットとの共存」に着手していることからすると、それ以上の付加価値を実現するのは難しいように思える。AirPlayを超えるインパクトを持つユーザビリティの新提案があれば、流れが変わるのかもしれないが。


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