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1万円台でイヤホンをお探しなら、ちょっと試してみませんか?

見た目も独自技術も珍しいイヤホン「Donguri-楽」の良さとは

2014年07月12日 12時00分更新

文● 四本淑三 撮影●篠原孝志(パシャ)

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新しい音質を楽しめる「楽」とシックな設定が魅力の「欅」

 Donguri-楽(RAKU)には、ハウジングのカラーバリエーションで江戸紫(えどむらさき)、濃墨(こずみ)、白磁(はくじ)、紅赤(べにあか)と4種類用意されています。

 イヤーピースは音茶楽ブランドと同様、コンプライ製の低反発ウレタンタイプが2サイズ付属します。本体重量が軽いことと、イヤーピース自身の密着力があるため、ストレートに耳穴に差し込むタイプにも関わらず装着安定性は良好です。

 当然ながら遮音性も高いレベルで確保されていますが、ハウジング背面にチューニングホールが空いていることもあり、音漏れは若干あります。ただし構造上、漏れるのは中低域の成分で、常識的な音量を守っている限り、周囲に迷惑をかけることもないでしょう。

「楽」の装着イメージ。これは江戸紫。ハウジングの露出が大きいので色は慎重に選びたいところです

「欅」の装着イメージ。木材でこの形だと、本当にどんぐりを耳に挿しているように見えるのが難点といえば難点かもしれません

 一聴した印象は、まさしく音茶楽のDonguriシリーズそのもの。解像感の高さ、ワイドレンジな再生能力はまったくそのまま。ただし、音茶楽の欅と比べると、やはりチューニングが異なります。

 まず楽の方が低域のレスポンスが高いです。しかしながら、100~200kHzあたりの帯域を強調して「低音出てます」と記号のように主張している安いイヤホンとは違います。全体の解像感をマスクせずに、音楽の躍動感を伝えてくるところが実に好ましい。それに加えて中音域のエッジも立って、よりボーカルが前に出てくる感じ。全体的に元気でにぎやかな印象を受けます。

 それに比べると欅は全体的にシックな設定で、はっきり言うと年季の入ったリスナー向きではないでしょうか。私は年季の入ったリスナーなので欅にはグッと来ます。しかし熱量の高い音を、その熱量のまま感じようとするなら楽の方が楽しい。

 いや、これは困りましたね。この音の差はエンクロージャーの素材によるものなのか、意図的にチューニングされたものなのかはわかりませんが、質の高い新しいキャラクターが増えてしまったわけです。音茶楽のDonguriシリーズをすでにお持ちの方は、ちょっと試してみませんかとお伝えします。

 そして1万円以上、2万円以下の価格帯なら、茶楽音人のDonguriは、ずば抜けて良いお買い物になると思います。1万円以内の予算で良いイヤホンをお探しの方には、ちょっと無理して試してみませんかと後押ししておきます。

Donguri-欅(KEYAKI)は、木製の可愛い小箱に入ってきます。おもてなし感抜群

Donguri-楽(RAKU)は、音茶楽「Flat-4」シリーズや、音茶楽×Olasonic「TH-F4N」でもおなじみのお茶缶と青いクロスが付いてきます



著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)

 1963年生れ。フリーライター。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ

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