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MongoDB、Apach CassandraなどのNoSQLデータストアの高速検索、分析も可能

Hadoop上のビッグデータ分析ソフト最新版「Splunk Hunk 6.1」

2014年07月04日 14時00分更新

文● 廣瀬治郎

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 Splunkは2014年7月3日、都内で記者発表会を開催し、Hadoop向けの統合型分析プラットフォームの最新版「Splunk Hunk 6.1」を発表した。標準のデータ形式を扱う旗艦製品の最新版「Splunk Enterprise 6.1」も6月20日に発表、提供を開始している。

Splunk アジア太平洋および日本地域担当ゼネラルマネージャー兼副社長のロバート・ロー氏

 Splunk Enterpriseは、サーバーやアプリケーション、ネットワークハードウェア、その他さまざまな機器から発信されるログや構成ファイル、アラートなどのデータをリアルタイムに分析するためのソフトウェアプラットフォームである。

 同社 アジア太平洋および日本地域担当ゼネラルマネージャー兼副社長のロバート・ロー氏は冒頭の挨拶で、「私たちの環境はクラウドとビックデータに囲まれている」と述べた。例えば自動車には、すでにさまざまなセンサーが搭載されており、それらからビッグデータが集められる。ロー氏は、「これまで、これらの情報は不要な“排気ガス”のように扱われてきた。しかし、これらのビッグデータはムダな排気ガスではない」とする。

 ロー氏は、ビッグデータの最も重要な点は、それらのデータ(システムから吸い上げられるマシンデータ)が、実際にはどのような構造をしているのかということであると主張した。

さまざまなシステムから吸い上げられる個々のマシンデータは、それだけでは何のことかわからない(左)。だが、詳細かつ継続的に分析してみると、顧客IDや発注ID、買い物をしたときのコメントなど、非常に有用なデータが含まれる(右)

 ロー氏によれば、2006年から2008年にかけてリリースされたSplunkバージョン1~3は、「データセンター内の情報を検索できるGoogleのようなツール」として扱われていた。2009年に登場したバージョン4は拡張性にすぐれ、より多くの情報を取り込めるようになり、「マシンデータの処理エンジン」へ変化した。

 そして、2012年のバージョン5と、昨年登場したバージョン6は、パートナーやユーザーがアプリケーションを開発できるプラットフォームへと進化を遂げたという。さらに同社は2013年、新製品としてHadoop環境向けの「Splunk Hunk」と、クラウドサービスとして提供する「Splunk Cloud」(現在北米のみ提供)をリリースしている。

 「Splunk 6は、データの収集から処理、分析、アラートまでエンド・ツー・エンドの機能を1つの製品パッケージとして提供できる業界唯一の製品だ。オープンソースでも似たような製品はあるが、統合されていなかったり、迅速な展開ができなかったりする」(ロー氏)

国内顧客は200社に迫る勢い

 また、2013年に設立されたSplunk Service Japan合同会社 カントリーマネージャ、ジャパンの中村賢生氏も登壇し、「顧客数は、1月に発表した150社強から200社に迫る勢いだ。日本は世界でも有数のHadoopユーザーであり、新しいHunk 6.1への問い合わせが非常に増えている」と、日本市場の状況を語った。

 6月に発表されたSplunk Enterprise 6.1には、次の3つの新しいアップデートが盛り込まれている。

・ミッションクリティカルな基幹系システムから発信されるTBクラスのデータを分析できる
・ユーザーインタフェースが強化され、グラフやチャートを示したダッシュボードによって情報を見える化
・ユーザーの基幹系アプリケーションに組み込むことが可能

マルチサイトクラスタリングにも対応。可用性を高める

 Splunk Hunk 6.1は、基本的にはSplunk Enterprise 6.1と同様のインタフェースでHadoopのデータを扱えるようになるソフトウェアであるため、これらの新機能ももちろん盛り込まれている。

 Splunk Services Japan シニアセールスエンジニアの日向寺正之氏によれば、「従来のバージョンと最も異なる点は、“リソースライブラリへのリアルタイムアクセス”が可能となったところだ。NoSQLやApache Accumulo、Apache Cassandra、MongoDB、Neo4jなどのデータストア上のデータにアクセスし、検索、分析、可視化できるようになった」という。

 「私たちは、ユーザーの“データファブリック”になりたいと考えている。これは、あらゆるデータがSplunkやHunkに収集、格納される姿だ。そうしたビジョンを達成するため、今後も積極的な投資とユーザー支援を行っていく」(ロー氏)

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