HP APJ Media Summit 2014レポート 第1回
新世代コンピューター「The Machine」の取り組みも披露
ビジネスや医療現場を変革するHPのNew Style of IT
2014年07月03日 09時00分更新
病院まで歩いて8km!インド農村部の医療を変える
New Style of ITが変革するのは、企業のビジネスだけではない。HP APJ プリンティング・パーソナルシステムズグループ シニアバイスプレジデントのニック・ラザリディス氏が披露したのが、インドで展開している「eHealth Center」の取り組みだ。
インドでは医療施設の約75%が都市部に集中しているが、人口の7割以上は都市部以外に在住している。そのため、大半の農村部の人たちは、必要最低限の医療を受けるためだけでも、平均8kmを徒歩で移動しなければならないという。農村部では政府主導でPHC(プライマル・ヘルスケア・センター)が運営されているが、数自体が少なく、スタッフやケアの受け入れ能力、インフラ面でも不安があるという。
こうした課題を解決するeHealth CenterはHPの技術とノウハウを用いて、低価格で品質の高い医療サービスを、資源に恵まれない地域で提供する取り組み。可搬性の高い輸送用コンテナに診断機器とワークステーション、電子カルテなどを装備。現場のスタッフは、ビデオ会議システムにより、診断結果を別の場所の医師に送付して遠隔診断を行なったり、専門家にリアルタイムで意見をあおぐことが可能になっている。
このeHealth Centerの取り組みはインドの研究調査機関であるCounceil of Scientific & Industrial Researchや医療事業者、NGOなどとのパートナーシップを組んで2年前からパイロットプロジェクトが開始されており、現在は国内で6カ所が設置されている。今回HPはインドの医療関連グループであるNarayana Healthと提携し、eHealth Centerのインドでの拡充を発表した。
登壇したNarayana Healthの幹部は「人口の50%が貧困層であるインドでは、手頃なコストで良質な医療サービスを提供するのは、大きなギャップがある。しかし、われわれはテクノロジーを使えば、このギャップを越えられると考えた」と説明。まずは5つのセンターからスタートし、2年後には20まで拡大するという。また、eHealth Centerのグローバル展開も発表され、同様の悩みを持つ国でも導入されることになるという。
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