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ハッキング競技「Capture The Flag(CTF)」の基礎から学ぶ講座

女性のためのハッキングワークショップ「CTF for Girls」初開催

2014年07月02日 14時00分更新

文● 谷崎朋子

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女性エンジニアのコミュニティ構築を目指した第一歩

 今回のワークショップを企画した理由について、発案者の中島明日香氏は「まずは手を動かしてCTFを体験し、知ってもらうこと。そして、女性エンジニアのコミュニティを作ること」と述べた。

 開催のきっかけは、昨年韓国で行われた女性向けCTFイベント「Power of XX」を見たことだった。日本でもやりたいと思った中島氏は、早速運営メンバーの確保に動く。しかし、ふと周りを見回してみると、情報セキュリティに携わる女性が圧倒的に少なく、声かける相手すらいないことに気付いたという。

 SECCON運営委員会に協力を仰ぎ、ようやく運営メンバー10名を集めた中島氏。この経験から、情報セキュリティ業界に女性が少ないことを改めて考えさせられたと、振り返る。

女子高生ハッカーが活躍する小説「PROJECT SEVEN」(七瀬晶 著)を高校時代に読み、複雑で奥深いセキュリティに魅せられたと話す中島明日香氏

 女性が少ない理由はともあれ、興味を持った分野に女性のコミュニティがあることは、女性として声がかけやすく、安心感もある。

 参加者からは、「多くの女性エンジニアに出会えたのは宝物。これで終わりではなく、今後もみんなで継続して取り組めればと願っている」「普段は、他のセキュリティ企業の女性と交流することが滅多にないので、こうした機会があって良かった」「会社の同僚でCTF参戦を目論むメンバーがいるので、混ぜてもらえるよう頑張って勉強したい」「また次回があれば、ぜひ参加したい」など、ワークショップ開催を喜ぶ声が多く上がった。筆者も、継続して開催されることを期待している。

 「私自身、仕事で情報セキュリティに携われることが嬉しいし、そこで出会った人たちと交流することもすごく楽しい。情報セキュリティの魅力は、何時間だって語れる」。笑いながらこう述べた中島氏は、今回のワークショップを契機に、楽しさを分かち合える女性セキュリティエンジニアのコミュニティを構築できればと、期待を寄せる。

 ちなみに、今年の「SECCON 2014」は、7月19~21日のオンライン予選で幕を開ける。公式ホームページによれば、問題の難易度を低めに設定される予定だ。勉強する仮想環境も基本的なツールも揃い、仲間とも出会える。これは参戦するしかないだろう。

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