AK240の設計を踏襲した第2世代シリーズ登場
「Astell&Kern AK120II」
「Astell&Kern AK120II」(実売価格21万円前後)は携帯音楽プレーヤーながらUSB DACとしても使える製品。Windows PCやMacintoshなどとUSB接続することで、バランス駆動対応DACとして使用できる(最大96kHz/24bit)。
最上位モデルの「AK240」(同24万5000円前後)の機能と基本設計を踏襲したモデルで、3.31型有機ELディスプレーの採用やOSにAndroidを搭載、Wi-FiおよびBluetoothも内蔵するといった機能は共通。
バッテリー寿命は約10時間、DACにはシーラス・ロジックの「CS4398」を左右独立のデュアルDAC構成で採用する。AK240と比較して、実際のオーディオ回路にはそれなりの違いもあるのだろうが、S/Nがアンバランス116dB、バランス117dB、クロストークが、アンバランス130dB、バランス135dBというオーディオスペックは同じだ。
価格が近いだけに、AK240とAK120IIの差が気になる人は少なくないと思うが、大きな違いとしては、内蔵メモリーがAK120IIが128GBに対して、AK240が256GB。外観のデザインの違いや材質の違いのほかは、DSD再生がAK120IIは最大5.6MHzに対応するものの176.4kHz/24bitのPCM変換になるのに対し、AK240は最大5.6MHzのDSDネイティブ再生が可能という点が異なる程度だ。
いずれにしても高価だ! という人は多いだろうが、そんな人に朗報。すでに試作モデルなどがイベントなどでお目見えしていたAK100IIも発売が決定した。7月11日発売予定で、予定される価格は11万円前後と、AK240やAK120IIに比べれば手の届く価格となっている。
背の高さがやや異なるがAK120IIと同様のデザインで、内蔵メモリーは64GBとなる。大きな違いは、DACがシーラス・ロジック社のCS4398のシングル構成となっている点くらいだ。 この3モデルについては、主なスペックを下の表にまとめておくので、参考にしてほしい。
Astell&Kernシリーズの主な仕様 | |||
---|---|---|---|
AK100II | AK120II | AK240 | |
内蔵メモリー | 64GB | 128GB | 256GB |
メモリー増量 | 最大128GB | ||
DAC | CS4398×1 | CS4398×2 | |
バランス出力 | ○ | ||
DSD再生 | 最大5.6MHz(176.4kHz/24bit変換) | 最大5.6MHz(ネイティブ再生) | |
S/N(アンバランス) | 114dB | 116dB | |
S/N(バランス) | 115dB | 117dB | |
クロストーク(アンバランス) | 127dB | 130dB | |
クロストーク(バランス) | 130dB | 135dB | |
バッテリー駆動時間 | 約10~11時間 | 約9~10時間 | 約5~10時間 |
本体サイズ | 幅55×奥行111×高さ14.9mm | 幅55×奥行118×高さ14.9mm | 幅66×奥行107×高さ17.5mm |
重量 | 約170g | 約177g | 約185g |
AK120IIは社内デザイナーによる外観デザインを採用。ヨーロッパデザイナーによる複雑な面構成をもったAK240に比べ、すっきりとしたフォルムになっている。
ボリューム部分には弦楽器をモチーフとしたスリットがあしらわれるなど、AK120MKIIとの共通する部分のあるデザインだ。
操作ボタン類は最小限で、上部にボリュームと電源ボタン、左側面に再生操作用のボタンがある。接続端子は通常の3.5mmステレオミニ端子によるアンバランス出力(光デジタル出力兼用)と2.5mm4極端子のバランス出力がある。
やはり注目は、携帯プレーヤーでバランス出力が可能という点だろう。デュアル構成のDACは、左右それぞれがプラス/マイナス/グランドの信号を出力し、出力アンプも左右それぞれプラス/マイナスが独立したバランス構成となる。
(次ページに続く、「Astell&Kern AK120IIを試聴!」)
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