解像感はかなり高く
落ち着いたニュートラルな再現
PCとの接続では、専用ドライバーをインストールし、「Foobar2000」で再生を行なった。HERUS本体にはボリュームはないが、再生ソフト側でのボリューム操作に連動して内部のボリュームが調整される仕様だ。
その音は落ち着きのある端正な再現で、音質的にもニュートラルな傾向。クラシックでは、ステージの広さや奥行きのある空間が再現され、解像感の高さはかなりのレベルにある。中低音域に厚みがある音は聴き応えも十分で、USBバスパワーだからといって音が非力に感じることもない。
続いてiPod touchと組み合わせてみた。ホームページでは、消費電力超過の警告が出たときは、一度接続をはずしてから再生アプリを再起動して、再度接続しなおうようにとのガイドがあったが、実際にオンキヨーのHF Playerで試したときにはそのような警告は出なかった。
音はきちんと出るし、iPod touchのバッテリーがぐんぐん減るようなこともなく、電力消費はあまり心配しなくてもよさそうだ。音質もPC再生時とほとんど差を感じることはなく、高解像でありながら落ち着いた感触の音を楽しめた。
かなりの高解像度型だが、音が細身に感じるようなことはなく、力強さや音の芯をしっかりと感じられる再生音になっていたのは好印象だ。
パワーが漲った印象のnanoiDSDの比べると力感などには差があるが、落ち着いた聴きやすさと微小音の再現性や解像感ではHERUSの方が優れていると感じる部分もあり、実力は甲乙つけがたい。
ドライバー不要で使えるのは便利
iPhoneでのハイレゾ再生を満喫できる
iPhoneでハイレゾ再生というと、接続時にLightning-USBカメラアダプターが必要になる点など、多少マニアックな部分もあるが、Windows PCで必要なドライバーのインストールが不要など便利な点もあり、思った以上に簡単にiOS端末でのハイレゾ再生ができてしまったことには改めて驚かされた。
冒頭で触れたように、オンキヨーやティアックのポタアンが通常のLightning-USBケーブルによる接続だけで96kHzまでのハイレゾ再生に対応している現状を考えると、nanoiDSDやHERUSのようなDSD対応製品が続々と登場するかどうかは不明だ。しかし、少なくとも現時点で流通しているすべてのハイレゾ音源を再生するには、こちらの方法(カメラアダプターによる接続)しかない。音楽再生は家の中よりも外出先で楽しむことが多いなら、ハイレゾ音源の再生も同様に楽しめる方が快適だろう。
また、PC用のUSB DACとして考えても、ポータブルで使えるコンパクトさは強力だし、ポタアンでここまでの機能を備えた製品はほかにない。しかも、価格的にも比較的安価なので、試しやすいのも魅力だ。
さて、次回はヘッドホンアンプの世界で注目されはじめている「バランス接続」に挑戦してみる。ヘッドホンのバランス接続は、据え置き型ヘッドホンアンプだけでなく、ポタアンでの対応モデルも登場してきている。
バランス接続によって、どんな音質的メリットがあるのか、バランス接続のために必要なケーブル交換など、いろいろと試してレポートしていく。
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