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業界人の《ことば》から 第97回

ピエゾ型で技術的に相性がいいはずなのになぜ

エプソンが3Dプリンターを出すのはかなり先……その真意は?

2014年06月26日 09時00分更新

文● 大河原克行

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省、小、精の原点となる世界初のクオーツ腕時計「アストロン35SQ」

人生を変えるぐらいインパクトのある3Dプリンター!?

 では、エプソンが投入する3Dプリンターとは、どんなものなのか。

 碓井社長は、「それは、人々の人生を変えるものになる」と表現。「これを実現する3Dプリンターを開発するにはまだまだ時間がかかる。むしろ、時間をかけて開発していきたい」と語る。

 「人々の人生を変える3Dプリンター」とはなにか。碓井社長の言葉は、抽象的であり、わかりにくい表現ともいえる。

 その言葉の意味を改めて碓井社長に聞いてみた。

 「例えば、最終的な製品をその場で作り上げてしまうようなもの。エプソンが目指している3Dプリンターの世界は、そうした世界に向けたものになる」

 注文を受けたら、その場で3Dプリンターによって、製品を作り上げ、すぐに手渡す。カラーバリエーションやデザインの変更などにも柔軟性があり、それでいて、小売店は在庫を持たなくて済むというメリットが生まれる。また、3Dプリンターを持ち出せば、場所を問わずに製品を作り上げるという使い方も可能だ。

 こうした世界の実現が、エプソンが目指す3Dプリンターということになる。

 確かにこうなると、「人々の人生を変えるもの」という表現が的を射ることになろう。

 先に触れた経済産業省の予測では、試作品を手軽に製作したり、最終製品をその場で仕上げたりすることで、3Dプリンターによって、10兆円規模のコスト削減効果があると試算している。エプソンが狙っているのはその市場というわけだ。

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