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ノーク伊嶋のIT商材品評会 第7回

マルチベンダー対応や回線とのアンバンドルで対象が拡がる

情シス仕事を肩代わり!NTT東日本の「オフィスまるごとサポート」

2014年07月01日 09時00分更新

文● 伊嶋謙二(ノークリサーチ シニアアナリスト)

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中小企業へのITサービス成功の最大の鍵は「安心感と継続的なサービス提供」

 今回で通信キャリアの中小企業向けのITサービス戦略シリーズはひとまず一区切りになるが、特にポイントとなるのが3点ある。

  1. 全国に販売、サポート拠点を有している
  2. 圧倒的なブランド力、知名度、安心感がある
  3. 既存の回線契約のユーザー企業を数多く有する

 いわゆる規模の経済活動の優位性を持っていることが共通する戦略ポイントになる。同時にいわゆる中堅企業よりさらに小規模な中小企業で、既存のIT系の販売チャネルが手薄になっている、あるいは提案に訪れないユーザー企業群をターゲットとしていること。この層の最大の特徴は圧倒的に潜在需要が大きいことと、競合が少ないこと。もうひとつが案件は小さいが、人による提案やサポートが必要になっているということだ。

 小規模な案件に関わらず手間がかかるということのために、多くの既存販売チャネルが対象から外していたというのがこのセグメントの特徴だ。あえて通信キャリアがこの層をターゲットに攻勢をかけている理由は、多くの未開拓需要を得ること、そして実は回線の契約企業としてはすでに顧客になっている企業が多いということだ。その企業に対して、回線以外のサービス、商品を提案、販売する上乗せ展開をすることで、小さな案件のストックの嵩をあげることによって、訪問販売というコストのかかる方法においても、中期的には多くのストックから得られる総合収益を満たして、帳尻を合わせることができると踏んでいるからだ。

 最終的には、すべての小規模な企業のワンストップの窓口としての役割を担って、ハードウェア、ソフトウェア、回線、そしてクラウドサービスなどのすべての商材を販売窓口として機能し始めたら、将来的な極めて大きなストック財産となることは間違いない。その成功、実現の時期は一定期間を要するとは思われるが、それまで継続できるかどうかにかかっている。

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