Interop Tokyoの基調講演で語った、現実化するSDNへの備え
「ネットワーク技術者も自動化スキル習得を」ジュニパー幹部
2014年06月25日 14時00分更新
“IQの高い”ネットワークを段階的に実現していく
(基調講演より要旨)
この半年の間に、ジュニパーでは「クラウドビルダー」と「HIGH-IQネットワーク」という2つの戦略を打ち出した。これらは相互に関連したものだ。
(ネットワークの観点から)適切なクラウド環境を構築するためには、データセンター内だけでなく、ユーザーがどのようなネットワークを経由して、どうやってアプリケーションやサービスにアクセスするかを考えなくてはならない。
そこで、クラウドデータセンター構築の全体フレームワークとして「MetaFabric」アーキテクチャを提供している。ここにはスイッチング、ルーティング、セキュリティ、SDNのほか、VMware、F5 Networks、IBM、そのほかサーバーやストレージのサードパーティパートナー製品が、オープンなビルディングブロックとして用意されている。顧客はレファレンス設計に従ってこれらを使い、ソリューションを構築できる。
――講演では「HIGH-IQネットワーク」についての詳しい説明がありませんでした。具体的にはどのようなものですか。
たとえば今日、仮想マシンを構成する際には、アプリケーションの要件に従ってCPU、メモリ容量、ストレージ容量などを設定していくだろう。では、ネットワークはどうか。本来はアプリケーションごとにレイテンシや帯域幅の要件があるが、現実には何も手が施されていない。
さらにアプリケーションの導入後も、適切なパフォーマンスが実現しているかどうか、実際のパフォーマンスを(ネットワークのコントロールプレーンに)フィードバックする手段がない。つまり、物理的なネットワーク(各ネットワーク機器)には大量の(ネットワーク状況の)データがあるのに、それが活用されていないのが現状だ。
(HIGH-IQネットワークでは)そうしたデータをリアルタイムに取り出し、インテリジェンスやビジネス洞察として活用する。データからネットワークパフォーマンスを把握するというのは、垂直統合型ソリューションで多額の投資をすれば比較的簡単にできるが、ベンダー非依存のオープンな形では難しい。
ジュニパーでは、この課題にここ数年間取り組んで来ており、MetaFabricなどで部分的に発表している(関連記事)。まずはデータセンター内から始め、データセンター間、企業内、企業とデータセンター間、そして最終的にはモバイルデバイスとデータセンター間と、段階的に範囲を広げ、より詳細にパフォーマンスのフィードバックを得られるようにしていく方針だ。わたしが次回来日する際には、もう少し詳しくお話しできるかと思う。
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