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24個のLEDと小型ディスプレーにより、直感的な情報表示が可能

デジタルしたくない人のスマートウォッチ「VELDT SERENDIPITY」

2014年06月23日 20時03分更新

文● 松野/ASCII.jp編集部

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スマートウォッチ「VELDT SERENDIPITY」

 ヴェルトは6月23日、スマートフォンと無線接続して様々な情報を管理できるスマートウォッチ「VELDT SERENDIPITY」を発表した。本日より予約を受け付けており、12月ごろの出荷を予定している。

プレミアムモデルの「Ripplet」

カラーセレクションモデルの「Rich Violet(紫)」

天気の表示。24個のLEDが一日の時間を表しており、雨が降る時間帯は青のLEDが発光する。直感的に情報を受け取ることが可能だ

世界時計機能。ロンドンの時間がLEDの点滅で表示されている

 文字盤と24個のLEDを組み合わせた情報表示「Vivid Loop」が特徴。iOSアプリ「VELDT Life Assist」と連携し、メールやSNS、着信履歴などの通知やスケジュール、天気のような情報をLEDの色や発光位置で直感的に表示する。2つのショートカットボタンをあらかじめ設定しておけば、よく使う機能やサービスをボタンひとつで呼び出すことが可能だ。アクティビティトラッカー(活動量測定機能)も搭載し、活動量や睡眠量を自分のスケジュールとあわせてグラフ表示できる。給電はMicro-USB経由で、最大待機時間は一週間程度としている。

 また、日本交通とのパートナーシップにより、ユーザーが登録した地点へのタクシー配車サービスが利用できる予定だ(東京地区のみ)。新機能やサービスも、アプリを通して逐次追加していくという。

スケジュールモードのイメージ。予定のある時間帯のLEDが発光

 サファイアガラスなどを採用したプレミアムモデルとなる「モデルR」は、Ripplet、Moon Ray、Silky Iceの3種類を提供し、価格は16万円前後。カラーセレクションモデルとなる「モデルC」はGentle Lily(白)、Deep Seed(黒)、Crisp Mint(緑)、Rich Violet(紫)、Fresh Scarlet(赤)の5種類を提供し、8万4000円前後としている。iOS 7以上のiPhoneに対応し、Androidにも今後対応予定だ。

ハイエンドな「モデルR」は3種類を用意

5種類のカラーを用意した「モデルC」

本当は「スマートウォッチ」ではない?

ヴェルト代表取締役の野々上仁氏

 ヴェルト代表取締役の野々上仁氏は、VELDT SERENDIPITYについて「本当はスマートウォッチと呼びたくない、むしろ逆のコンセプトを持っている」と切り出した。

 もともと同社の社名は、SF作家であるレイ・ブラッドベリの小説「The Veldt(邦題は『草原』)」に由来する。同作は発達しすぎた文明への批判が一つのテーマとなっているが、野々上氏は「ブラッドベリは60年も前に、人間が技術に溺れることへの警鐘を鳴らしていた。現代においても、歩きスマホやSNSの既読無視によるいじめの発生など、技術のマイナスの側面が問題になってきている。技術との付き合い方をイノベートし、リバランスするために会社を立ち上げた」とコメントした。リバランスという目標を達成するためのツールとして開発したのが、今回のVELDT SERENDIPITYなのだという。

手に持っているのがレイ・ブラッドベリの「The Veldt」

 製品名の「SERENDIPITY」は、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能のことを指す。ネットワークから飛び込んでくる大量の情報をシンプルに処理し、スマホを見る時間が減ることで日常生活に様々な「気づき」を与える製品にしたいという願いがこめられているのだという。時計の盤面がアナログなのは、人類が200年以上も慣れ親しんできたものに働きかけ、より直感的な判断をしやすくするためだとしている。そのような「情報に溺れないためのデバイス」であるという点で、VELDT SERENDIPITYは普通のウェアラブルガジェットとは違うということを、野々上氏は何度も強調した。

 「VELDT SERENDIPITYは、時代に対する新たな豊かさの問いかけ。イキな大人の人たちに使っていただき、社会全体をリバランスするようなムーブメントを作っていければ」とした。

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