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ハイコストパフォーマンスに感じるバランスの良さ

シュアが価格激戦区に投入、5000円強のイヤホン「SE112」を試す

2014年06月22日 12時00分更新

文● 四本淑三

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5000円台のダイナミック型としては好バランス

 SE112は5000円台のイヤホンとしては、再生装置としてのスタンダードな性能をキープできているように思います。というか、この音で5000円なら安い。

 パッケージもごくシンプル。付属品もS/M/Lのシリコン製イヤーピース(ソフト・フレックス・イヤパッド EASFX1-10)に布製ポーチ。以上。でもそれだけで十分です。実際に買おうとなると、今のところグレー一色で若干地味。カラーバリエーションに期待したいところですが、このグレーも目立たない感じでよろしいです。

 装着も簡単で良いです。耳にそのままスポッと差しこむだけでも、イヤーモニター風にケーブルを耳にかける方法でも、どちらでも使えるデザインになっています。

いわゆる「シュアがけ」。イヤーモニター風にケーブルを耳にかける方法は装着安定性が高いです

そのまま耳に差し込んでも使えます。着脱はこの方が簡単

ケーブルはY字型。プラグはL字型

 音質については、ダイナミック型らしく、やはり低音寄りではあります。が、盛りすぎてバランスを崩すほどではなく、5000円の製品としては良い落としどころでしょう。低域の押出しと解像度を十分に確保したうえで、その情報量に中高域の解像感がマスクされない製品は、この価格帯ではあまり多くありません。

 ただし、全体的には高域側のレンジが狭いダイナミック型の特性で、レンジの広さを期待する方には向いていないでしょう。またアタックが強く微細なレスポンスを要求する音よりも、たっぷりとした中低域の量感で聴かせるソースのほうが合っているように思えます。

 70年代に「ちょっと高域がラフだけど音がダイナミックでロック向き」として人気のあったアナログレコード時代のカートリッジ「SHURE V15 TYPEⅢ」と音のイメージが被って、ちょっと懐かしい感じもしました。

 もし比べて選ぶなら、同価格帯でバランスド・アーマチュアのソニー「XBA-10」あたりが高コストパフォーマンス、かつ音の違いがはっきりしているという点で、ぜひ比べてみて欲しいです。こちらも5000円台の製品ながら、高域の解像感が傑出しています。

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