866Mbpsで十分!? 1万円以下から買える11acミドルクラス製品の実力は?
2014年06月19日 12時00分更新
前回紹介したとおり、IEEE 802.11ac規格に対応したWi-Fiルーターはその最大通信速度によって3つのクラスに分かれている。今回はその中でミドルクラスにあたる「866Mbps対応」(一部は867Mbpsをうたう)製品について紹介していこう。
866Mbps製品と1300Mbps製品の違いは?
IEEE 802.11ac(以下、11ac)規格対応製品で、1300Mbps対応製品と866Mbps対応製品の違いは、一目瞭然の「最大通信速度」。そしてその最大通信速度の差がなぜ生じるかといえば、Wi-Fiルーター親機に内蔵される、データの送受信に使われるMIMOアンテナの数だ。
1300Mbps対応製品ならアンテナ数は「3×3」であり、886Mbps対応製品ならアンテナ数は「2×2」となる。なお、このアンテナ数表記は3×3=9本、という意味ではなく、「送信用が3本、受信用が3本」という意味だ。
そして前回の1300Mbps製品の通信速度測定でも触れたが、現時点で1300Mbps対応の子機は登場していない。子機側にも3本のMIMOアンテナを内蔵していないと、1300Mbpsルーターの本来の通信速度は発揮しようがなく、866Mbps対応製品と最大通信速度はほぼかわらない。
そうであれば、866Mbps対応ルーターでもかまわないのでは? と考える人もいるだろう。確かにそれも正論ではあるが、いずれ1300Mbps対応子機や製品が登場する日が来るはず。それを見越して現時点では親機に1300Mbps対応製品を購入しておこう、という選択肢があるだろう。
その一方で、数年もすれば壊れたり陳腐化したりしてWi-Fiルーターの買い替えを検討せざるを得なくなるのだから1300Mbpsはそのとき考えるとして、現状では866Mbps対応製品で十分、と考えるむきもあるだろう。
そのあたりの選択は人それぞれなので一概にはいえないが、ここでは後者のように考える人に対して、866Mbps製品を紹介していこう。
ちなみに、製品の型番に「1166」または「1167」が入る製品も多いが、これは5GHz帯の866Mbps(または867Mbps)と2.4GHz帯の300Mbpsを足した数字である。
ミドルクラスと侮れない!?
866Mbps対応Wi-Fiルーター紹介
スマホでの設定機能が充実!
バッファロー「WZR-1166DHP2」
バッファロー「WZR-1166DHP2」は、最大通信速度をのぞけば、同社の1300Mbps対応ルーター「WZR-1750DHP2」とほぼ同一のスペック。推奨利用環境は戸建てなら3階建てまで、マンションなら4LDKで同時利用人数は5名が想定されている。
対応スマートフォンなどに狙いを向けて電波を発射してスループットを向上させる「ビームフォーミング」機能を搭載するほか、スマホのみで初期設定できる「AOSS2」機能、スマホから設定変更ができる「Wi-Fiリモコン」といったいまどきのスマホユーザーにとってありがたい機能が充実している。
背面にはギガビット対応の有線LANポートを4基、USB 3.0ポートを1基搭載。USBに接続したプリンターや外付けHDDを共有して利用できるサーバー機能も備える。
WZR-1166DHP2の実売価格は1万3000円前後。WZR-1166DHP2が2台セットで1台をイーサネットコンバーター、または中継器として利用できる「WZR-1166DHP2/E」も提供されている。こちらの実売価格は3万円前後だ。
(次ページに続く、「NECアクセステクニカ AtermWG1400HP」)
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