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初心者も、ベテランも、改めて学んでみようぜ!

失敗しちゃった人たちが「グループウェアの教科書」で学ぶ

2014年06月27日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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グループウェア導入の成否は
エンドユーザーのモチベーションにあり?

浜本先生:教科書では、まず「働いている人が思わず使いたくなる」ということで、グループウェア導入で効果を出すための土壌作りを説明しています。サイボウズOfficeの導入で成功している企業は、なによりエンドユーザーの使い勝手を重視しています。入力が面倒とか、やりたい操作がすぐできないとか、使い勝手が悪い道具は、ユーザーも使いたくないですよね。西牧さん!

「『働いている人が思わず使いたくなる』が重要です」(浜本先生)

新人・西牧:私は“使う側”だったので、これは同感です。いくつか試用してみたんですけど、「GUIでも面倒な操作は面倒だな」というのが使っていた感想でした。

ベテラン・大谷:その点、クライアント/サーバーの手組みは楽やで~。ここの操作が「面倒だから、ボタン追加しといてやー」と業者におねがいすればOKや。おかげで、画面はボタンだらけ、動作はめちゃくちゃ重くなったけどな(笑)。

浜本先生:(その開発で何人も泣いてるんですけど……)あ、あとエンドユーザーに成功体験を持ってもらうのも重要です。たとえば、営業が「会社に帰らないで日報が作れた」「見積もりを上司にスピーディにチェックしてもらえた」と感じれば、グループウェアを使い続けてもらいます。「Check2:心の底から「これって便利!」と感じる仕組みを選ぶ」にありますが、成否はエンドユーザーのモチベーションに負うところが多いので、ファンを増やせるようにしたいですね。和田さんの会社は、なにごとも情シス主導でやっているとのことですが、どうですか?

中堅・和田:全部、情シスでやるのは本当に疲れます。テーマごとに掲示板を作ったら、現場からはこれじゃないと言われ、ワークフローを設計したら、回覧ルートが実態にあってないと言われ(涙)。だったら、現場で作ってよーと思いますが。

設定から運用まで全部情シスでやるのは本当に疲れます(中堅・和田)

浜本先生:エンドユーザーに使ってもらうコツは、運営までエンドユーザーに任せるという方法です。やはり業務を知っているのは現場のエンドユーザーですし、同じ会社でも、営業部と経理部、人事部で管理したい情報は異なります。グループウェアの運用をエンドユーザーに任せると、自分たちのものという意識が生まれるので成功率は高くなりますよ。

新人・西牧:情シスのないうちの会社は、結局現場で決めなさいということで、私が任されてしまいました。

浜本先生:とはいえ、現場に任せすぎると、野放図になるので、そこらへんはエンドユーザーと相談しながら。「Check5:現場に任せる、管理者の手間が減らせる仕掛けがないと致命傷に」にある通り、目指すのは「管理者の負荷を軽減しながら現場のやる気を盛りたてていける」仕組みです。

機能の数でグループウェアを選ぶと失敗しちゃう?

ベテラン・大谷:そんなにうまくいくんすかねえ。以前、運用まで現場に任せたら、結局限られた部員だけやたら使っていて、周りが盛り上がらないんですわ。だから、今度は機能てんこ盛りのグループウェアにしようと思っていますわ。機能が多ければ、なんか使い方を工夫するやろー。

「次は機能てんこ盛りのグループウェアで行こうと思います!!」(ベテラン・大谷)

浜本先生:(なんて人任せ……)。機能がいっぱいあればいいと考える方は多いですが、必ずしもそうでもありません。「Check 22 機能がたくさんあるほうが売上に貢献、は大きな間違い」でも指摘されていますが、機能が多すぎて使いにくいという声はやはり多いのです。

新人・西牧:機能がいっぱいあると、エンドユーザーとしては迷っちゃうんですよ。プロジェクト関連の議事録を掲示板に載せるのか、プロジェクト管理に入れるのか、ドキュメントとしてファイル管理に溜めておくのか。どう使えばいいのか何度も悩みました。

中堅・和田:そういえば、うちも唯一使われているのは、会議室予約くらいですねえ。あれは目的がはっきりしているからか。

浜本先生:そのためには、管理者があらかじめメニューを絞り、計画的に増やしていくというカスタマイズの機能も必要です。使い方は千差万別ですからね。

中堅・和田:「Check 4 管理者の思惑だけで導入してしまう悲劇は避ける」にもありますが、管理者の思い入れだけで導入するとうまくいかないのかもなあ。

「管理者の思い入れだけだと、うまく行かないのかも……」(中堅・和田)

浜本先生:エンドユーザーの要望を管理者側が組み入れて、グループウェアに反映できればいいのです。たとえば、サンプルでたたき台を作って、現場の人に修正してもらうとか。

ベテラン・大谷:そんなんやったら、現場からすごい修正依頼が来ます。たたき台どころか、私が叩かれてしまいます~。

浜本先生:(大谷さんのは修正依頼が殺到しそう……)でも、その要望をエンドユーザーさんに反映してもらい、操作や設定方法について情シスがきちんとサポートすれば、コミュニケーションが生まれます。サイボウズの場合、日本語のマニュアルやサポートも充実されているので、エンドユーザーでも十分使いこなせますよ。

ベテラン・大谷:そんなもんなんですかねえ。うちだったら、使わんと、会社貸与のスマホの通話料を給料から天引く~。GPS使ってルノアール行くの監視する~。しばく~。

浜本先生:(ブチッ!)もう、大谷さん、ふざけないでください!!

ベテラン・大谷:なんでいきなりハリセン!うわー!!

「大谷さん、愛のハリセンですよ!」(浜本先生)「わあ~」(ベテラン・大谷)

(次ページ、モバイル活用こそグループウェアの成功の本丸?)


 

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