このページの本文へ

焼いた虫料理はめざしの頭の味がしました

「ぐりとぐら」のカステラやタモリめしを再現!! 「クレイジーキッチン」潜入レポ

2014年06月18日 18時00分更新

文● 高城歩(@maccha_iri

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

電気で味覚をハックせよ!

エレクトリックピクルス

 次に電気味覚研究で知られる東京大学大学院の「あぱぱ」さん(中村裕美博士)が、アーク放電を利用した「エレクトリックピクルス」を披露。

 さらに特製の導電素材に包まれたフォークを握り、チーズが舌に接触すると電気が流れて味が変わるというデモも見せてくれた。実際に体験すると、舌先にピリリとした刺激を感じるとともにアルミホイルを噛んだときのような味が広がる。そしてだんだんと濃くなっていくチーズの塩味から、人間の味覚は電気刺激の影響を受けるのだなと身をもって理解した。

特製の導電素材に包まれたフォーク。レバーを上下させると舌に伝わる刺激が変化し、味覚にも影響する

チーズに電極セットを差し込み、LEDの明かりをともす実験も見事成功


 このイベントは科学実験的な側面が強いかと思いきや、ここで「タモリめし」の著者である「オバ」さんが登壇して、「タモリカレー」や「生姜焼き」といったオーソドックスなメニューを手際よく調理し始めた。

 オバさんは、あめ色玉ねぎペーストを手にしながら「タモリめしのポイントはいい意味で手を抜くこと。タモリさんは道具もテフロン加工のフライパンを使うなど、便利だと思ったものは進んで取り入れている」と解説。2時間煮込んだカレーを味見させてもらったが、1口目よりも10口目に「これはウマイ!」と唸る味わい深さだった。

オバさんが「タモリカレー」の調理を実演している様子に目が釘付けになる参加者一同。テキパキと下ごしらえをこなす手際の良さが印象的だった

ニコ生の放送も同時進行していた「クレイジーキッチン」。自身の著書とともに、完成した「生姜焼き」をユーザーに報告するオバさん。調理中は視聴者からの質問にも答えていた

納豆を400回、1万回、ハンドミキサーで混ぜたものを食べ比べてみるという実験も行われた。手で1万回混ぜ続けられた納豆はピーナッツバターのような食感で、非常にクリーミーだった。粘り気が強すぎて、混ぜながら箸が折れそうになる場面も

 誰でも幼少期に一度は絵本で読み、憧れる夢のメニュー「ぐりとぐらのカステラ」の再現にも挑戦した。

 やはりクレイジーキッチンというべきか、登場したのはなんとダチョウの卵。重量は1338グラムで、持ってみるとずっしりとした重みを感じる。つるつるとした冷たい殻に覆われた卵はまるで頑丈な作り物のようで、こつこつと叩いたぐらいでは割れる気配が全くない。卵の底をタオルで固定し、周りをペンチで叩きながらヒビを入れて、わずかにできた隙間に指を差し込んで割ると、中からはジェルのような卵白とドロリとした黄身があらわれた。普通の鶏卵のおよそ20個分だという。

ダチョウの卵は1338グラム。伊予柑さんの顔と同じぐらいの大きさだ

ぐりとぐらのカステラは中まで火が通らず苦戦

 あとはパウンドケーキの要領で生地をつくり、バターをたっぷり塗ったフライパンで焼きあげていく。途中経過を確認すると、表面は焦げているが中まで火が通っていない。結局、絵本のような丸い形にはならなかったが、参加者はどこか懐かしい味のカステラをほおばりながら「ぐりとぐらはフライパンとたき火でカステラを完成させていたけれど、無理じゃないか。あれは本当にうまくできたんだろうか」と笑いあっていた。夢のレシピを現実に持ち込んだ際に起こる、ちょっとした齟齬もまた面白い。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

ASCII.jpメール アキバマガジン

クルマ情報byASCII

ピックアップ