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Mozillaの将来はモバイルに、「Firefox OS」戦略を新COOが説明

2014年06月14日 18時00分更新

文● 末岡洋子

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Firefox OSの端末は30~150ドルのレンジ
フィーチャーフォンからの移行も狙う

――7月に最初のFirefox OSスマートフォンがTelefonicaから登場して1年になろうとしてます。販売台数はどのぐらいですか? また現時点ではまだニッチにとどまっていますが、今後どうやって世界市場で成長を加速していくのでしょうか?

 新しいシステムを立ち上げるのは難しいことで、GoogleもAndroidでポジションを確立するのに数年を要しています。

 この1年の間にOEM4社、オペレーター5社が世界15ヵ国でFirefox OSスマートフォンを提供しています。最初の1年は人々が使ってみる、試してみる期間と位置づけていますが、成果は予想を上回っています。我々が販売しているのではないので販売台数を把握していませんが、100万台程度と見ています。今年は1000万台を目指します。少なくとも1000万台は到達したい。

 この見積もりの背景を説明しましょう。我々は、より高性能なスマートフォンをより低価格で提供できるように開発を進めています。その結果、2013年での(Firefox OSの)端末価格は60~90ドルでしたが、今年は30~150ドルに広がるでしょう。この結果、すでにFirefox OSスマートフォンを展開している既存のオペレーターがラインナップを拡充します。

 特にローエンド側では、2月のMWCでSpreadtrum Communicationsとの提携による25ドルFirefox OSスマートフォンを発表しました。今回インドのIntexとSpiceが、SpreadtrumのFirefox OSスマートフォンを採用することを発表しました。7月にも登場を見込んでいます。

spreadtrumの25ドルFirefox OSスマホ

 フィーチャーフォン市場はいまだに大きく、いまだに新製品が売れています。誰もがこの層をスマートフォンに変えられないかと考えています。フィーチャーフォンの買い替えとして、Firefox OSは魅力的な選択肢となることでしょう。価格は安くても、Firefox OSそのものは100ドル程度のものとまったく同じです。訴求力が高い選択肢といえます。

年内リリース予定の2.0で新UIを予定している

――ハイエンド側はどうですか? ハイエンド側では消費者を驚かせるような端末ローンチが少なくなり、イノベーションが期待されています。

 今はローンチ計画としてきちんと話ができるレベルではありませんが、ハイエンド側もちゃんと進めています。

 「ハイエンド=スペックの高さ」ではないと考えています。ユーザー体験がすばらしいものがハイエンドです。一部のパートナーとFirefox OSにとってのハイエンドを定義しているところです。

 現在、Firefox OSのバージョンは1.3ですが、現在開発を進めている2.0では、新しいUIを計画しています。これは部分的ながら差別化を図るものになるでしょう。2.0は2014年中にリリース予定で、UIのほかにも人々を驚かせるような機能を考えています。

――地理的な市場について教えてください。現在Firefox OSは東欧などの欧州、南米で発売されていますが、アジア市場、そして日本、中国、アメリカの各市場の計画は? 特に日本では「KDDIが2014年度中」と語っており、ローンチが注目されています。

 アジアではインドと東南アジアを中心に、7月から複数の国でローンチが予定されています。日本については、メーカーと開発を進めていますが、KDDIからの発表になります。

 中国ではChina Unicom、米国ではSprintがFirefox OSのアライアンスのメンバーです。それぞれ話をしていますが、具体的な話はまだお話できません。米国での可能性として、プリペイドのオペレーターがFirefox OSを提供する方向も模索しています。

――モバイルで展開するにあたって、社内での一番の課題は?

 モバイル向けの開発はデスクトップとは異なります。モバイルとデスクトップは、まったく異なる業界というほどに違います。我々はデスクトップでスタートしており、ここ数年でモバイルで展開することを学びました。

 たとえば、モバイルの開発はスケジュール、デッドラインなどデスクトップとやり方が異なります。スピードの問題ではなく、構造やリズムの問題です。デスクトップは定期的にアップデートできますが、モバイルはアプリのアップデートは容易ですが、プラットフォームは簡単ではありません。このような学習を蓄積して、開発を加速していきます。

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