2つのASのSDNによるパス交換、国内最大級のVXLAN相互接続検証など新たな試みも
InteropのShowNet、10年先も耐えられるインターネットへ
2014年06月11日 20時38分更新
6月9日から13日まで開催されているネットワークの祭典「Interop Tokyo 2014」。その会場内全てのネットワークを最新の技術や機器を使って構築するのが、産業界や学界、研究機関から集まったトップエンジニアによるライブデモンストレーションプロジェクト「ShowNet」だ。
過去にはADSLや100GbEなど、数年後に普及する技術を先駆けて実践してきた同プロジェクト。産学連携のエンジニア集団「NOCチーム」によりネットワークが構築・管理され、運営には公募で参加するボランティアも協力している。また、企業や団体から技術・機器の提供を受けており、まだ市場に出回っていない多数の製品が実稼働される場でもある。今回の参加エンジニア数は400名、参加企業・団体は77、国内・世界初披露となる機器は10製品で、提供された機器・サービスの総額はなんと約70億円にものぼるという。
2014年のShowNetのコンセプトは「Scratch and Re-build the Internet」。セキュリティやSDN(Software Defined Network)への注目度が高まっていく中で、「今のインターネットはあと10年耐えられるのか」という問題意識のもと、いいものは残し、足りないものや改修が必要なものは再構築して、これからの社会のインフラとして使っていける「近未来のインターネット」の形を示していく第一歩であるという。今回は「Step1」として、3年間に渡りこのテーマを続けていく。
2014年の「ShowNet」が注力しているのは「ネットワーク」「データセンター/クラウド」「セキュリティ」「ファシリティ」の4テーマだ。今年からASを2つに分割し、出展社や来場者にインターネットのコネクティビティを提供する「キャリアAS」、および次世代ネットワークに向けた相互接続や最先端テクノロジーのテストなどを実施する「クラウドAS」という構築となった。2つのAS間ではSDNによるパス交換が実施されており、これは国内初の試みになるという。また、昨年までバックボーンの伝送、ルーターやスイッチ製品でしかサポートしていなかった100GbEが今年はアプリケーション層のファイアウォールなどにも対応し、「真の100Gバックボーン」として構築されている。他にも新たな挑戦として、クラウド間イーサネット接続の実験的な構築、世界初のIPv6サンドボックス実装、国内最大級のVXLAN相互接続検証などを実施している。
会場ブースでは実際にShowNetを管理する「NOCルーム」の様子を見学できる。構築された機器は目に見えるよう展示されており、見学者の疑問にNOCチームのメンバーがいつでも直接答えてくれる「ASK NOC」などはここでしか体験できないため、興味がある人は幕張メッセに足を運んでみよう。
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