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効率的な非破壊検査のためのポータブル装置に

産総研、乾電池やUSB電源で動作する小型パルスX線源を開発

2014年06月06日 21時34分更新

文● 行正和義

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パルスX線源(120kV出力、CDケースはサイズ比較用)と撮影画像

 独立行政法人 産業技術総合研究所(産総研)は6月3日、ライフ技術研究所とつくばテクノロジーと共同で、小型軽量の非破壊検査用パルスX線源を開発したと発表した。

 パルスX線源は1ミリ秒~0.2秒程度のX線パルスを放射する装置。X線は高電圧の放電によって電子が放出される真空管の一種X線管を用いるが、新たに開発したX線管はカーボンナノチューブなどからなる針葉樹型カーボンナノ構造体を採用。ナノメートルサイズに尖った先端から電子が放出される「電界電子放出現象」を利用する。キロワットレベルの強いX線を放出しても構造体の劣化することなく、1000万ショット以上の寿命が確認できたという。

針葉樹型カーボンナノ構造体の電子顕微鏡写真

 駆動回路の最適化など小型・軽量化を進め、X線源のユニットはCDケースよりもやや大きなサイズで厚み70mm以下/重量2.5kg以下(管電圧120kV)、厚み55mm以下/重さ700g以下(40kVモデル)を実現。これは2009年に製作したX線源と比べて体積比で約10分の1という。また、待機電力が不要でエネルギー消費も低く、乾電池やUSB電源でも動作させることができることから携帯性が高く、ロボットに搭載して配管の奥などを検査することも可能。

左2枚:金属製バルブのX線透過写真でバルブの動作が分かる(120kVのX線源を使用)。右:シェイバーの内部構造(パルスを繰り返すことで動画として撮影)

 高度成長期に建設された建築物や工場・発電所などの構造材や配管を点検・検査する必要性が高まっているなか、現場作業性の向上や作業員のX線被曝低減のためのロボットを利用して検査を行うといったケースが増えており、こういった小型軽量のX線源が求められている。産総研では、今後X線源の高性能化とともにロボットに搭載した自動検査システムを開発するなど効率的な非破壊検査のための研究開発を行う。

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