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「iOS 8」で広がる世界—WWDC 2014をダイジェストで振り返る

2014年06月04日 23時00分更新

文● 鈴木淳也(Junya Suzuki)

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文字入力の推測機能を強化、日本語入力システムも対応

 よくある文章のパターンを認識して、選択候補から単語を選ぶだけですぐに文章が組み立てられる機能も搭載されている。日本語入力システムにも同種の機能が搭載されているとのことで、秋の正式リリースを楽しみにしておくといいかもしれない。

文字入力機能も新しくなっており、画面にあるように「よく利用するメッセージパターン」をiOSが持っており、最初の数単語を入力するだけで後は表示される単語候補を次々と選択するだけでメッセージが完成する。とっさの返信などで便利。単語の選択は記録されず、セキュリティ的に配慮されている。なお詳細は不明だが、この機能は日本語にも対応しているとのこと

複数デバイスでアプリの作業内容を引き継ぐ
「Continuity」機能

 別のiOS/Macデバイスでのアプリの作業内容を引き継ぐことが可能な「Continuity」もiOS 8の特徴のひとつ。近隣にあるデバイス同士が認識し合い、ロック画面左下に出現するアイコンをスワイプするとContinuity機能が利用できる。iPhone同士だけでなく、iPadやMacまで、異なる種類のデバイスでも同機能は利用できる。

「Continuity」は、iOSならびにMacデバイス間で、利用していたアプリのデータをそのまま引き継ぐことが可能な機能。近隣にあるiOS/Macデバイスの存在を互いに認識し、作業中のファイルや動画再生などの状態をそのまま別のデバイスで引き継げる。これは通話でも同様で、例えばiPhoneにかかってきた電話をiPadで応答することさえ可能となっている

iMessageではグループチャット機能が強化、
AirDropではiOSとOS Xが連携可能に

 iMessageではグループチャット機能が強化されているほか、動画/音声メッセージの送受信にも対応した。AirDropは従来のiOS同士だけでなく、OS Xも対象となり、Continuity機能と合わせて利便性が増している。また、iCloud Storageを使ってのデバイス間ファイル同期が可能になっており、こちらはWindowsデバイスも対象とできるため、作業の可搬性が全体に高くなった。

iMessageではグループチャットの機能が強化されたほか、動画/音声メッセージの送受信にも対応

AirDropはiOSデバイスとMacの間でのやりとりが可能に。また、iCloud Storageサービスが提供され、iOSデバイス/Macだけでなく、Windowsも含めたファイル共有や同期が可能

企業ユーザーによる要求に応える機能強化も

 従来まで「Appleのスマートフォン」といった印象の強かったiPhoneだが、サードパーティによる対応アプリやサービスの数も増え続けており、ひとつのプラットフォームとして重要度を増している。

 最近ではBlackBerryなどの端末からiPhoneやiPadへと乗り換えを進める企業も増えており、こうした企業ユーザーを対象にした機能強化もiOS 8では行なわれた。

大手企業による採用例も多いiPhoneやiPad利用に向けた「Enterprise」機能も強化。MDMと呼ばれる管理機能強化のほか、メールへの自動返信対応、カレンダー共有での予定空き状況確認などが利用可能に

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