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フリーランスだけど、社長になってみたい個人事業主or法人、どっちがおトク？

2014年06月17日 11時00分更新

カリーさん(覆面ライター)

資本金の額や登記内容などに超注意！

カリー　起業の流れが分かったところで、ここに注意しておけみたいなポイントってありますかね？

杉山　例えば、資本金の額ですかね。退職金が手に入ったりで「これに人生をかけるんだ」といきなり1000万以上入れる方もいますが、おすすめできません。

いくちょん　なんとなく多い方が優良企業に見えます。

宮原　資本金が1000万円未満だと、最大で2年間消費税が免除されます。これは法人成りでも新規開業でも同じです。

編集K　なるほど。ズバリどれぐらいの額がおすすめですか？

杉山　無理のない範囲ですね。

宮原　あとは、設立するにあたって融資を考えてるかどうか。法人成りだと個人事業からの続きみたいになりますが、初めて起業という方だと創業融資が受けられるんです(創業何年以内という枠の場合、法人成りは個人のときから年数を数えるので注意が必要)。その中でも日本政策金融公庫は、無担保・無保証の枠だと自己資本の10倍までみたいな制限がある。なので1円で起業しちゃうと、数円しか借りられないから結局社長が自己資本分を持ってこなきゃいけないみたいな。

カリー　それは(笑)

杉山　自分で起業した際に陥りやすいワナが、本店所在地の表記。法務局って、申請した通りに登記してしまうので「千代田区１－１－１」みたいな簡略表記でもそのまま通ってしまうんですが、本当は漢数字で「一丁目一番一号」と入るのが正しいんです。ここを見ると、一発で「あっ、本人が手続きしたんだな」って分かってしまう。

編集K　何がまずいんですか？

杉山　例えば、不動産とかを会社名義で買ったときに、登記簿にも簡略表記で入ってしまうんでみっともない。

カリー　素人っぽいという。

杉山　そうですね。あと、銀行や取引先にも「ご自分で作ったんだ」というのがわかってしまう。初めて取引する際には、帝国データバンクや登記簿謄本で相手のことを調べますが、これで簡略表記だと「大丈夫かな？」と思われてしまう。

カリー　あとからハンコを持っていって直すのはできないんですか？

杉山　できますが、それも修正履歴が残りますしね。会社の目的とかも誤字脱字がありがちなので、要注意です。

カリー　勉強になります。

宮原　みっともないついでで、見栄を張って資本金を多めに乗っけて起業したあとに、「生活費で必要だから」とおろして持っていっちゃうケースがたまにあるんです。そうすると決算書に、持ってった分が役員への貸し付けとして載ってしまう。例えば、融資を受けるときにその決算書を見ると、「ここの会社に貸したら社長に持っていかれそう」という判断をされかねません。

編集K　会社を作るってことは、個人事業主なら隠れている情報が、ある程度外に見えてしまうということなんですね。

杉山　おっしゃる通りです。

カリー　なるべく経費につけるために、日々、レシートをきっちり集めてる行為とかも、白日の下にさらされてしまうってことなんですね。

編集K　会社だと悪いことがしにくい。

宮原　なんか個人がやりたい放題みたいな流れになってますが、決してそうじゃないですからね。

一同 (笑)

カリー　本日はありがとうございます！起業したらいいかどうか、非常に勉強になりましたー。ぜひ会社を作る際には先生方に何卒お願いいたします！