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山谷剛史の「アジアIT小話」第74回

フィリピンで人気急増中のオンライン英会話教室の裏側

2014年05月29日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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マニラ首都圏のビジネス街
マニラ首都圏のビジネス街

 日本の南にある、フィリピンの首都マニラに行った。今はかなり暑い。どれくらい暑いかといえば、体感温度で言うなら暑いときのインドくらい暑い。

 暑い中、とある年季の入った家の、タワー型パソコンが何台も置かれた部屋で、元幼稚園の先生である中年女性がヘッドセットを指さし「ノイズキャンセリングがポイントなのよ!」と力説する空間は、ただただ不思議としか言いようがないが、それがフィリピンの今なのである。

在宅で教えるオンライン英語教室が人気

マニラ首都圏の庶民向け商店街 マニラ首都圏の庶民向け商店街

 子だくさんの家庭が多いフィリピンの人口は約1億人。マニラ首都圏の混んでいるところは、かなりの人混みとなる。その一方で中層家庭の人々が住む一戸建てが並ぶ住宅地はすごく静かで、イメージとは違ってと言っては失礼だが、カオス感はない。

 静かな住宅地で、平日祝日問わず、一部の家から「ハロー! ハウアーユー」と元気な英語のひとり語りが聞こえる。フィリピンといえば、短期滞在で、ないしはネットを使って、英語が安く学べる国を思い浮かべるかもしれない。英語の先生が、在宅勤務でレッスンを行なっているのである。

 オンライン英会話の在宅教師であるシーラーさんは、子だくさんの家庭の母親でもある。元は幼稚園の先生で、教会のシスターがシーラーさんと出会い、英語を教えないかと誘って以来英語を教えているという。

シーラーさん宅は閑静な住宅地にある

 静かな住宅地に構えるシーラーさん宅は築何十年の年季の入った家で、内装はコンクリートむき出し、部屋には生活用具や洗濯物などが置かれ、生活臭があふれる。

家の中も仕事部屋(右)も生活感にあふれている

 上水道はなく、業者が庭に設置された大きなタンクに水を入れ、日常的にそれを使う。冷蔵庫やテレビはあるが、エアコンはなく、部屋が暑くなる昼間は時々庭に蚊帳を広げて昼寝をしている。

 そんな家の一部屋が仕事部屋で、昨年買ったというタワー型PCが1台、それにノートPCが2台もある。1台は初代の仕事PCで、もう1台が薄型軽量なノートPC。これを小学生の男の子と幼稚園児の女の子が使ってYouTubeを見て楽しんでいる。

 東南アジアの国々ではなぜだかどこの国でも男性より女性がよく働く。シーラーさんは在宅ワークをしながら、子供の面倒を見ているのだ。夫はというと、隣の部屋でかなづち片手に何やら作業をしていた。

 タワー型PCに繋がれたモニターには、「ここには金をかけた」というウェブカメラがあり、机上には「ここに一番こだわったの! ノイズキャンセリングだから外の騒音を拾わないの」と何度もシーラーさんが力説するヘッドセットがある。

防音壁を取付中の部屋
防音壁を取付中の部屋

 夫の作業も実はこれに関係がある。シーラーさんは「夫には、今の部屋を2つにして、1つの部屋に防音壁をつけて、さらにエアコンをつけて、いい作業場にするのよ!」と熱く語った。

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