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Microsoft Lync向けのQoSや検疫ネットワークにSDNを活用

802.11ac無線LANも100GbEスイッチもSDN対応させるHP

2014年05月28日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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5月27日、日本ヒューレット・パッカードは100GbE対応のシャーシ型スイッチ、SDN(Software-Defined Network)対応のIEEE802.11ac対応アクセスポイント、SDNアプリケーションなどを発表した。発表会ではこの半年に発表された新製品が紹介されたほか、SDN戦略の進捗も披露された。

100GbE対応スイッチをはじめ、続々OpenFlow1.3に対応

 今回発表されたのは企業のコアネットワークに最適なシャーシ型のL3スイッチ「HP FlexFabric 12500E Switchシリーズ」。シャーシ、MPU、スイッチングファブリックモジュールなどを一新することで、スイッチング性能を75%増強となる最大13.32Tbpsまで拡張した。40GbEを最大288ポート、10GbEを最大864ポート実装可能で、最大4シャーシを単一スイッチとして管理できる「HP IRF」という仮想シャーシ機能をサポートする。

シャーシ型のL3スイッチ「HP FlexFabric 12500E Switchシリーズ」

 定価は18スロットの「HP FlexFabric 12518E Switch」が1050万円、8スロットの「HP FlexFabric 12508E Switch」が430万円(ともに税抜)。別途最大64ポートの100GbE実装に対応した「HP FlexFabric 12900 Switch」がパフォーマンス重視のクラウド向けスイッチなのに対し、12500Eは企業向けのリッチな機能を搭載する。両者ともOpenFlow 1.3に対応する。

 HPは昨年末から矢継ぎ早にネットワークの新製品を投入しており、発表会では1Uサイズに40GbpsのQSFP+を32ポート実装したToR(Top of Rack)スイッチ「HP FlexFabric 5930 Switch」や10GbpsのEthernetやFCoE、8GbpsのFCなどを統合的に利用できるLAN/SANスイッチ「HP FlexFabric 5900CP Converged Switch」なども紹介された。

 また、5GHz/1.3Gbpsの通信速度を実現する「HP 560 802.11ac Dual Radio Access Point」も発表された。無線の干渉源を特定し、電波出力の調整やチャネルの変更を自律的に行なう「Wi-Fi Clear Connect」や無線パケット送信スケジューリング、侵入検出機能、PoE(IEEE802.11at/af)など高度な機能を搭載。また、OpenFlow 1.3への対応も予定しており、無線LANでのSDN対応も強化された。

5GHz/1.3Gbpsの通信速度を実現する「HP 560 802.11ac Dual Radio Access Point」

実用的なSDNアプリケーションも投入

 SDNに対応したアプリケーションとしては、「HP Network Optimizer SDN Application for Microsoft Lync」と「HP Network Protector SDN Application」が投入される。

 HP Network Optimizer SDN Application for Microsoft Lyncは、Microsoft LyncとHP VAN SDNコントローラーが連携することで、ユニファイドコミュニケーションで重要な通信帯域幅の制御を動的に行なうもの。ユーザーからのコールを受け、Lync側がAPIを使って、HP VAN SDNコントローラーに帯域のコントロールを依頼。HP VAN SDNコントローラーがエッジのOpenFlowスイッチに対して、QoSのDSCP値の変更を指示することで、優先制御を行ない、コール品質を向上させる。間にあるスイッチのQoSが適切に設定されているという条件付きだが、外部からマーキングを動的に変更するだけなので、ネットワークエッジ部分のみのOpenFlow対応で利用が可能だという。

Microsoft LyncとHP VAN SDNコントローラーが連携するHP Network Optimizer SDN Application for Microsoft Lync

 後者のHP Network Protector SDN Applicationは、エッジスイッチでの検疫ネットワークをSDNで実現するもの。ユーザーデバイスからのリクエストされたURLをOpenFlowスイッチが捕捉し、HP VAN SDNコントローラー経由で、HPのワクチンDBとリアルタイムに照合していく。ワクチンDBはHPのIPSであるTippingPointのものを使っており、不正なサイトやIPアドレスなどをダイナミックにチェック。不正なサイトへのリクエストであれば、OpenFlowスイッチのテーブルを書き換え、リクエストがコアに送信されたり、端末にウイルスが感染する前にルート変更を行なうという。

 両者とも導入効果を可視化できるのが大きな強み。HP Network Optimizer SDN Application for Microsoft Lyncであれば、QoEのメトリック値。HP Network Protector SDN Applicationであえば、検疫のしきい値や感染状況などを見ることができる。

すべてのレイヤーでSDN対応を推進

 昨年から怒濤の勢いでSDN対応を強化するHP。エッジに当たるスイッチのみならず、コントローラーやSDNアプリケーションまで幅広く対応するのが戦略の根幹だ。また、100GbEやIEEE802.11acなどの新しい伝送技術もいち早く製品に実装し、ビッグデータやクラウドなどの大容量伝送に対応する。

日本ヒューレット・パッカード エンタープライズグループ事業統括 HPネットワーク事業統括本部 事業統括本部長 山口 太氏

 日本ヒューレット・パッカード エンタープライズグループ事業統括 HPネットワーク事業統括本部 事業統括本部長 山口 太氏は、「エンドツーエンドでの効果を考えると、すべてのレイヤーでSDN対応製品を提供した方がよいと判断した」とアピール。OpenFlowのSouthbound APIはもちろん、アプリケーションからコントローラーを制御するためのNorthbound API、先日プラチナスポンサーとなったOpenDaylightの標準化も積極的に推進しているという。

 また、「お客様が使う前に、自社製品をショーケースとして使いこなすのが、HPのやり方」(山口氏)とのことで、HP自体でも1500台のルーター、1万5000台のスイッチで“シスコフリー”のネットワークを構築しており、4PB/1日という通信量に対応している。

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