Q5:現行の2K/4Kテレビでは、4K試験放送は見られない?
A5:2Kテレビでは不可。4Kテレビも基板交換が必要かも
4K試験放送では、著作権保護の仕組みとして新たに登場した「HDCP 2.2」が採用されている。つまり、従来の2Kテレビはもちろん、4K/60pの映像信号に対応していても、HDCP 2.2対応でないと映像を表示できないことになる。
このHDCP 2.2がクセモノで、すでに発売されている4Kテレビがすべて対応しているわけではない。せっかくの4Kテレビなのに4K試験放送が見られないという可能性があるのだ。
しかし、各メーカーも自社で発売した4Kテレビについてはきちんとサポートする動きが見られるので、そう悲観的になることはない。いち早く対応チューナー内蔵レコーダーを発表したシャープでは、発売済みの「LC-70UD1」「LC-60UD1」についてはバージョンアップにより、4K60p、HDCP 2.2対応が可能になる。
なお、4K60pはソフトウェアバージョンアップで対応する(すでに実施中)が、HDCP 2.2への対応については基板交換を伴うものになる。バージョンアップの受付開始時期は6月頃とのことだ。
秋に対応チューナーの発売をアナウンスしたソニーもバージョンアップ対応を予定している。4Kテレビの対応状況としては、今年発売の最新モデル(2014年5月以降発売)は対応済み。
既発売モデルでは、2013年10月発売の「X8500A」シリーズはソフトウェアバージョンアップで対応し、2013年6月発売の「X9200A」シリーズはソフトウェアバージョンアップのほかに基板の交換が必要になる可能性がある。2012年11月発売の「KD-84X9000」は、無償の基板交換サービスを実施予定だ。
また、4Kプロジェクターでは、「VPL-VW1100ES/VW500ES」がソフトウェアアップデートで対応。「VPL-VW1000ES」は、すでに発表済みの有償アップグレードサービス(10万円)を利用することで対応できる。
このほかのメーカーについても、なんらかの対応はされると思うので、「去年4Kテレビを買ったのに、買い換えないと4K試験放送が見られない!!」というようなことにはほとんどならないと思われる。
なお、4K試験放送に限らず、4Kコンテンツの放送や配信は事実上HDCP 2.2対応が必須になったのは間違いないので、これから4Kテレビを購入する場合は、4K/60pおよびHDCP 2.2対応を確認するといいだろう。
Q6:録画した4K試験放送はBDなどに保存できる?
A6:現状はできない
4K試験放送された映像コンテンツの利用だが、詳しい内容が発表されたシャープの4Kレコーダー「TU-UD1000」について言えば、直接視聴するほか、内蔵HDDに録画して再生することが可能。一方で、BDドライブを内蔵しておらず、外付けのUSB HDDへの録画にも非対応なので外部メディアへの書き出しなどは行なえない。
家庭内であってもDLNAで4Kの録画番組を配信することはできないし、スマホなどに持ち出すこともできない(フルHDコンテンツについては、DLNA配信やスマホなどへのネットワークダビングが可能)。4K録画番組をダウンコンバートしてフルHDテレビなどへ出力することもできないなど、現状ではその取扱いはかなり制限される。
ただし、現時点ではあくまでも試験放送なので、これらの映像コンテンツの利用については今後整備されていくはず。現在の地デジ放送で行なえることが4Kになるとできなくなるというのは、視聴者の不便でしかなく、普及の妨げになる。
時期については予想できないが、いずれは現在の地デジ放送と同じくらいの活用ができるようになるだろう。
(次ページに続く、「4:2:2/36bitや4:4:4/24bitへの対応は必要?」)
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