価格の水準を超えサイズに対して妥当な音質
さて、気になるところの音質ですが、再生帯域の広さについては、1万円台で売られているBluetoothスピーカーと比べても遜色ありません。ソファーの横やキッチンなどでイージーに使うスピーカーとしては、これで十分でしょう。特に低域に関してはパッシブラジエーターを使ったスピーカーにありがちな、低域を過度にブーストしたチューニングになっていないのが好ましいです。
もっとも、あまり低域をブーストしても、エンクロージャーの剛性確保や防振対策でかえってコストがかかるはずで、費用対効果でこのバランスに収めた結果かもしれません。いずれにしてもBTV1は、この価格の水準を超え、またサイズに対して妥当な音質の得られる、バランスの良いスピーカーです。
この値段にしては、音量に余裕があるのも良いところです。音楽を流しながら一緒に何かアコースティック楽器を鳴らすという場面でも、ガットギターくらいの音量であれば負けません。ただ最大音量に近づくにつれ、中音域の歪みが耳に付き始めますし、そうした音量ではエンクロージャーの箱鳴りも感じられます。ただ、それは家庭で滅多に出すことはないだろう、というような音量です。
ただ、2.1chという割には軽いので、中を開けて確かめてみました。2.1chの「.1ch」は独立したサブウーファーを示しているはずです。であればエンクロージャー内にサブウーファー用の隔壁を作り、専用のドライバーとアンプでパッシブラジエーターを駆動しているものと想像しますが、BTV1はメインスピーカーの背圧でパッシブラジエーターが動くレイアウトでした。これを2.1chと呼ぶのは誤解を招きそうです。