すっかりコモディティー化したBluetoothスピーカー
製品の性能以外に興味深いのは「AmazonBasics(アマゾンベーシック)」というブランドです。これはAmazonのプライベートブランドで、イオングループの「TOPVALU」やセブン&アイ・ホールディングスの「セブンプレミアム」と同じように、販売側が企画してメーカーに製造を委託し、独自のブランドを付けて売っているものです。
AmazonBasicsは、AV・PC用の各種ケーブル、カメラバックや三脚、ニッケル水素充電池など、デジタル家電を持つユーザーにとっての必需品、かつアフターサービスで手間のかからないものを手堅くラインナップしています。こうしたアイテムのチョイスや仕様決定には当然ストアとしての販売データも活きているはずです。
そのラインナップにBTV1が入っているというのが、何より興味深い。ついこの前までニッチと思われていたBluetoothスピーカーが日用品の仲間入りをしたということであり、すでに必要なモジュールを買ってくれば誰でも造って売れるコモディティー化の進んだ製品分野だということです。
ただし、プライベートブランドでBluetoothスピーカーを企画し、売る力を持っているのはAmazonくらいでしょう。こうなると既存メーカーの製品は、それなりの特色を持っていないと生き残れない。今後ほかのメーカーの製品展開や、ワイヤレスオーディオの進展にも期待したいところです。
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著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)
1963年生れ。フリーライター。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ