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ソニー経営方針説明会—「14年度は構造改革を徹底、15年度から成長フェーズ」

2014年05月22日 21時30分更新

文● 大河原克行

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 ソニーは、2014年5月22日、経営方針説明会を開催した。会見の冒頭、ソニーの平井一夫社長兼CEOは、「2013年度は大きな最終赤字を計上した。また2014年度も、エレクトロニクス事業の回復遅れにより、中期目標には遠く及ばず、500億円の最終損失になる見込みである。私は社長就任時にエレトロクニクス事業の再生を最重要課題とし、様々な施策に取り組んできた。エンターテインメント事業、金融事業は想定を上回る成果をあげたのに対して、エレクトロニクス事業のターンアラウンドは達成できず、忸怩たる思いである。特に、2期続けて最終赤字になることは大変重く受け止めている。期待に応えられなかったことには申し訳思っている」とした。

ソニー 代表執行役社長兼CEOの平井一夫氏

2014年度も、エレクトロニクス事業の回復遅れにより、中期目標には及ばず、500億円の最終損失になる見込み

 また、「我々がコアと定めた事業については、成長ドライバーになりうる製品が出ており、業績面での改善は大きいものの、赤字事業がこれを打ち消し、全体として収益改善が想定通りに進まない。変化が激しく、厳しい競争環境の中にあるのは間違いないが、我々の環境変化への対応力とスピード力が不足していた。変化への打ち手が遅れたといわざるを得ない」と、自ら反省の弁を述べた。

構造改革を徹底的にやりきり、
来年度以降成長軌道に持って行く

 さらに、「2014年度は3年計画の最終年にあたるが、次の2015年度からの3ヵ年を成長フェーズに位置づけ、持続的に収益があげられる企業へ変貌するために、今年度は構造改革をやりきる年と位置づけ、徹底した変革に取り組む。度重なる下方修正や赤字を継続する体質を変える。何年続けて構造改革をやるのかという声にも真摯に耳を傾ける。構造改革をやるなかで、見通しは厳しく見ている。これを下方修正することは想定していない。

 全社一丸となって収益をあげていかなくてはならない。事業売却などの大規模な構造改革は、すべてを今年度中にやってしまうことになる。来年度以降に先送りにするということはない」とし、「経営責任は構造改革を徹底的にやりきり、来年度以降、成長軌道に持っていくことが、私の責任である」と繰り返した。

2015年度には連結営業利益で4000億円規模を目指す

 事業構造改革としては、これまでにPC事業の収束、テレビ事業の分社化、本社間接費用の30%削減、販売会社費用の20%削減といった効果を達成。さらに、2013年度、2014年度で、事業構造の変革などに伴う費用として、3000億円を計上。「大きな費用を使うが、2015年度以降には、年間1000億円以上のコスト削減効果を見込むことができる」とし、「2015年度以降の中期経営計画は、2014年度中に策定するが、2015年度には連結営業利益で4000億円規模を目指せると想定している」とした。

これまでにPC事業の収束、テレビ事業の分社化、本社間接費用の30%削減、販売会社費用の20%削減を実施

 また、「世の中では、『好調なエンターテンメント事業と金融事業に対して、本業のエレクトロニクス事業は厳しい』というような表現が用いられるが、私にしてみれば、どれもソニーにとって重要なビジネスであり、どれもが本業である」とし、「ソニーは、1968年に音楽事業を開始し、その10年後には生保事業に参入。さらに1988年には全世界で音楽ビジネスを開始した。いずれも四半世紀以上の歴史があり、業界において重要なボジションを担っている」と説明した。

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