25年目のCisco Live! テーマは“IoE”と“Fast IT” 第3回
VCE、ネットアップのプライベートクラウド基盤が「Intercloud Ready」に
シスコ、「Intercloud」の新たなパートナー企業を発表
2014年05月22日 06時00分更新
シスコシステムズは5月20日(米国時間)、開催中の「Cisco Live US 2014」(関連記事)において、同社の進めるハイブリッドクラウドプラットフォーム構想「Intercloud」のパートナー拡充を発表した。Dimension Data、VCE、NetAppなどが含まれる。
シスコが今年3月に発表したIntercloudは、データセンター事業者などのパートナーと共に、シスコのクラウドアーキテクチャに基づくプライベートクラウド(オンプレミス/ホステッド/マネージド)やパブリッククラウドを提供する構想だ。同一のクラウドプラットフォームを備えることで、相互運用性や統合管理性が高く、セキュアなハイブリッドクラウド環境を実現する。
Intercloudは、ポリシーベースの自動プロビジョニング技術であるシスコの「ACI(Application Centric Infrastructure)」(関連記事)、「OpenStack」ベースのマルチハイパーバイザ/オープンAPI環境、複数のクラウド間をセキュアかつ柔軟に接続する「Intercloud Fabric」という3つの技術コンポーネントを核としている。
3月のIntercloud発表時には、Telstra、Canopy、Wiproなどのデータセンター事業者/クラウドプロバイダーが、パートナーとしてIntercloudへの参加を表明していた。今回の発表では、NTT傘下のDimension DataやSungard Availabillty Services(Sungard AS)が、新たにIaaSプロバイダーとして加わった。
さらにVCEが、プライベートクラウド向けのインフラパッケージ「Vblock」においてIntercloud Fabricとの統合を進めていくことを発表している。これにより、Vblockで構築されたプライベートクラウドとパブリッククラウドの間でワークロードをシームレスに展開できるようになる。
NetAppも、同社のデータ管理技術におけるIntercloud技術との統合方針を表明している。インフラパッケージ製品「FlexPod」においてIntercloud Fabricとの統合を進めるほか、ストレージOS「clustered Data ONTAP」においてIntercloud FabricおよびACIポリシーへの対応を進め、クラウド間におけるデータ管理やデータ移動を一元的かつ容易にしていくとしている。
“Internet of Everything”の基盤としてのIntercloud
同日のCisco Liveで基調講演を行った同社デベロップメント&セールス担当プレジデントのロブ・ロイド(Rob Lloyd)氏は、今回のCisco Liveでテーマになっている「IoE(Internet of Everything)」とIntercloudの関係に触れた。
「われわれの目標は“ネットワークセントリックな視点”に基づき、あらゆるクラウドの持つ能力をつなぐIntercloudを構築することだ。また、IoEの世界では、センサーやそのデータをアプリケーションとつなぐモバイルネットワークの役割も非常に重要となる。IoE向けのプラットフォームとして、Intercloudに基づきグローバルなプラットフォームを構築することで、シスコはナンバー1のハイブリッドクラウドプロバイダーとなることを目指す」(ロイド氏)
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