やっと本題のモバイル音楽制作環境の話!
新幹線N700系の座席に持ち込むと、こんな感じになった。
いざ移動中の環境で使ってみると、ThinkPad X240の12.5型のフルHD解像度では画面が細かく、タッチパネルでCubaseや各種ソフトシンセを操作するのはなかなか難しかった。画面解像度を下げれば良いが、それではフルHDの意味が無い。ここは非常に悩ましい。
本当はシンセのつまみ類を実機を触るかのようにタッチパネルでグリグリと動かしたいところだが、正確に触れるのはミキサーのフェーダーくらいだ。
ここで、より快適性を求めてマウスも導入してみた。タッチパネルで快適に~……とか言っておきながらマウス導入とはナニだが、ただのマウスではない。Logicoolのゲーミングマウスである「G300r」だ。
ゲーミングマウス特有のマクロボタンで、Cubaseを操作するのだな? と気づいたあなたは鋭い。Cubaseには伝統的にテンキーを使ったオペレーションがあり、それに慣れたユーザーはテンキーの無いノートPCでCubaseを使うのは苦痛以外の何者でもないのだが、その苦痛を和らげてくれるのがゲーミングマウスだ。
サイドにある4つのボタンに、「ロケーター左に移動」「再生/停止」「早送り」「巻き戻し」のマクロを登録するとCubaseの操作感がまるで変わるので、ノートPCでのCubaseユーザーにゲーミングマウスはお勧めである。
これで新幹線の中でも快適に音楽制作ができるようになった。余裕のあるHDD容量でデスクトップと同等のライブラリーと、楽曲制作時に何かと参考になるiTunesのライブラリーも余裕で丸ごと持ち運べる。Core i7-4600Uの余裕あるCPUで、重量級のVSTでもまったくモタつくことがない。ドングルを無くす心配も無いし、ASIO4ALLのレイテンシーもまずまず快適だ。
X240にはステレオスピーカーが内蔵されているため、音が出せる場所では気軽に作曲スケッチが可能だ。ヘッドホン端子の音質も悪くなくて、低域の輪郭がはっきりと聴き取れる「Phil Jones Bass H850」を使えば、走行音が連続的に聞こえるような新幹線の中でも、まずまず低域が聴こえる。もちろん静かな所ではミックスダウンやマスタリングまでできる。
あとは、Windowsで育ったDAWであるSONARやFL Studioのように、Cubaseも次のバージョンくらいからはマルチタッチに対応してほしいな、という淡い期待を持っておこうと思う。