競合は意外なところにあるという問題提起
ここで山本社長が強調したかったのは、ハイパーコネクテッド時代には、意外ともいえるところから競合が登場するということだ。
山本社長は、米アマゾンがネット通販の事業者でありながら、クラウド事業に参入。「これは富士通にとって、パートナーでもあり、競争相手でもある」と指摘。
さらに、総合スーパーが、野菜の生産、物流、製品加工を行い、小売りと農業とを組み合わせた新たな業態を生んでいること、個人がソーシャルメディアを利用して、旅行者に宿泊場所を提供するといった動きがあることを示しながら、「これまで参入が難しかった分野にも新たな企業が参入するチャンスがあるのが、ハイパーコネクテッド時代。意外なところから新たな競争相手が登場し、新たなパートナーが登場する。ビジネス構造の変化はあちこちで起こっている」とした。
業界の枠が取り払われ、新たな競争環境が生まれるのが、いまの時代というわけだ。
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