通信速度は下り最大2Gbps/上り最大1Gbps!
世界最速の光サービス「NURO」とは?
“世界最速2Gbps”を謳うソネットのFTTHサービス「NURO(ニューロ)」。
下り最大2Gbps/上り最大1Gbpsという個人宅向けの商用FTTHサービスとしては世界最速を誇る。通信速度を何より重視するASCII.jp読者にうってつけの選択肢といえるだろう。
また、回線品質を向上・安定させるため、NTT東日本の光ファイバー回線を利用しつつも、インターネット網からユーザー宅に設置するONU(ホームゲートウェイ)まで一貫してサービス提供している。つまりソネットは回線事業者としてNUROを運営しているわけだ。
ONUには最大速度450Mbpsの無線LAN機能を標準搭載し、PCとの有線接続は設定不要のプラグアンドプレイ化を実現、セキュリティーサービスも5台分を無料提供という隙のなさ。それでいて料金は、上記のサービス込みで月々4743円(税抜/2年間継続利用前提)。一昔前までは夢物語だったサービス内容が個人宅で利用できるようになったといえる。
充実のサービス内容もあってか、早期に10万回線を目指す計画も足元では好調に推移しており、1年前のサービス開始月に比べ20倍以上の申し込みにまで増えているという。現在は1周年記念のプレゼントキャンペーンを実施中だ(2014年5月31日まで)。
そこで今回は、NUROの事業責任者であり、ソネット取締役 執行役員専務の会田容弘氏に、立ち上げの意図とユーザーの反応、そして気になる今後の展開などについて広く語っていただいた。聞き手は角川アスキー総合研究所 取締役主席研究員の遠藤諭。
聞こえるのは「速さ!安さ!安定!」
ユーザーの声はADSL勃興期から14年間、変わっていない
遠藤 「会田様はNUROの創設者と聞き及びました。まずは、NUROを立ち上げるきっかけや経緯を教えてください」
会田 「もともと私は、ADSLが始まったあたりからFTTHサービスの本格普及の頃までプロバイダー事業の責任者をやっていました。
プロバイダー事業の役割は、基本的に各社どこも大差ありません。通信事業者の回線を前提に、IPアドレスを振って、お客様をインターネットにつなげて、カスタマーサポートして、課金する……機能そのものには差はないんです。
一方で、お客様の声をずっと聞いていると、ADSLから光に世の中が変わってもニーズはあまり変わっていません。『もっと速いものが欲しい。もっと安いものが欲しい。もっと安定した回線が欲しい』――この3つに集約されるんですよ」
遠藤 「それって、あまりに基本ですよね。ずっと変わらないのですか?」
会田 「時代と共に技術は進化していくのですが、さらなる速度を求める声、価格の低減を求める声は相変わらず存在しているのです。
当然、僕らはお客様の声に応えたいのですが、プロバイダーの範囲でできることは限られているんですね。しかし、そういったお客様の本質的なニーズに応えるサービスを出したいという思いがずっとあったんです」
遠藤 「プロバイダーってユーザーのフロントエンドにいるにもかかわらず、ポータルサービス的なところではいろんなことができるけれど、サービスの一番本質的なところが変えられない、と」
ソネットが回線事業者になってまでNUROを立ち上げた理由
会田 「ソニーのDNAの影響もあり、『世の中にあったらいいなと思うものは、自分たちで作ればいいんじゃないか!』と(笑)。もしソネットがスペックや価格も含めてend to endでお客様に提供できる方法があるなら、チャレンジしない理由はないんじゃないか……という想いがそもそものスタートだったんです。
いったいどんなチャレンジだったかというと、通信事業者は通常局舎に置く設備と、お客様の家に置くONUという機械を使ってサービス提供をしています。
そこに僕らは『GPON』という通信規格の設備を導入することにしたのです。そして、それに対応するGPON規格のONUをメーカーさんに作ってもらいました。このGPONは規格上、下り最大2.5Gbpsまで出ます。
後発参入になりますので、競合相手と同じことをやっても仕方ありません。どうせやるなら世界で一番スピードが出せるものを、ということで、日本では導入事例があまりなかったGPONを持ってきたんです」
遠藤 「なるほど! 物理層の光ファイバーは一緒だけど、プロトコルというか、通信している規格と機材は違うと。では、ユーザー宅までのいわゆるラストワンマイルはどうなっているんですか?」
会田 「NURO用に通信事業者様から光ファイバーをお借りして、使わせていただいています。宅内工事も自社で担当させていただいています」
遠藤 「GPONってあまり聞かない言葉ですよね。他国では使われているんですか?」
会田 「じつはグローバルだと結構使われているんですよ。ヨーロッパやアメリカ。中国もそうですね。ところが面白いことに、GPONは下り最大2.5Gbpsまで出るのに、そんなスピードで使っている事業者はどこにもいないんですよ」
遠藤 「それはなぜ?」
会田 「みなさん、100Mbpsぐらいのスピードで使われています。理由は、日本以外の市場ではそこまでマーケットが求めていないからなのかもしれません」