受信トレイには、顧客情報やビジネスチャンスなど
大事な情報がつまっている
同製品は、本格的なCRMやSFA(営業支援システム)としての利用や、そこからの置き換えを狙うものではない。むしろ、GMailを活用して手軽にCRMのような活用を行なえるツールと考えた方がいい。
「CRMシステムは、大手企業を中心に導入が拡大しているが、システム構築および運用にかかるコストが見合わず断念したり、実際に導入しても入力作業の煩雑さなどを理由に、使われずに放置される例が少なくない。さらに、中小企業のほとんどが、Excelや営業日報を活用し、顧客管理をしているという実態もある。
一方で、受信トレイのメールには顧客情報やビジネスチャンス、やるべきタスク、やり取りの履歴といった大事な情報がある。情報を頻繁に更新するのが大変なCRMやExcel管理とは異なり、GMailによる日常のメールを活用しながら、案件管理、タスク管理が実現できる。
CRMとしての本格的な機能はないが、従業員数200〜300人程度までの中小企業や、大手企業のプロジェクトチーム、部課およびグループ単位で手軽に導入したり、期間が終わったら終了するといった用途でも適している」とする。
現在、Google Appsを利用しているユーザーの約95%が中小企業と見られており、AOS Inboxのターゲットもこの市場となる。
今後は、レポート機能などの搭載についても検討をしていくというが、「より本格的なCRMやSFAとして活用したいといったユーザーの声が多ければ、それらサービスとの連動なども視野に入れたい」という。
ユーザーの声を反映しながら随時機能強化を図る考えで、不定期ではあるが年間3、4回のバージョンアップを予定している。
対応ブラウザーは、Google Chrome。アプリ対応OSは、iOS 5.0以上となっている。
AOS Inboxは、Chromeウェブストアを通じて提供。AOS Inboxの価格は、Gmailのアカウントを利用するスタンダード版と、独自ドメインを利用するビジネス版が、それぞれ1ユーザーあたり月額300円(税別)。いずれもディスク容量は1GBまでで、1GBあたり月額100円で追加できる。購入方法はクレジットカードおよび現金振り込みとなっている。
また、100レコードまで無料で使えるフリー版も用意した。
同社では、今後1年間で2億円の売上高を目指す予定。「今後は、北米市場を中心とした海外展開も行ないたい」としている。