このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

業界人の《ことば》から 第88回

10年でドコモを抜けなければ腹を切るといったソフトバンク

2014年05月13日 09時00分更新

文● 大河原克行

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

米国にも出て行く

 そのソフトバンクにとっての大きな挑戦が、米国の携帯電話市場への取り組みだ。

 スプリントの買収によって、米国携帯電話市場に参入したソフトバンク。「最近の我々にとって、もっと大きなテーマ」と位置づける。

Sprint買収で米国市場にも出て行く

 過去に、固定回線の日本テレコム、モバイルではボーダフォンジャパン、ウィルコム、イーモバイルを買収した例をあげながら、スプリントの事業もそれにダブらせる。

 「すべてがソフトバンクグループ入りしてから業績が急激に改善している。ボーダフォンジャパンは、ネットワークがつながらない、ブランドが傷ついている、赤字という問題があるなかで復活させてきた」としながら、「スプリントの成功は、決して簡単でない。相手は、世界で最も利益を出している会社。スケールメリットも出さなくてはならない。しかし、簡単ではないが、成長の兆しとして、ずっと赤字だった企業が、第1四半期で約4.2億ドルの営業黒字を達成した。年間での営業黒字達成の見込みもできた。これからスプリントの業績を、あの手この手を使って、ソフトバンク流のマネジメントで利益を改善していく」と自信をみせた。

 孫社長にとって、米国携帯電話市場での成功は、最優先するテーマのひとつだ。今回の決算会見で、冒頭から、強い思いが成功につながることにあえて言及したのは、孫社長が自らに言い聞かせること、そして、社員に対しても、世界に挑戦する事に対して、熱い思いをもってもらいたいという気持ちがあったからかもしれない。

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ