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保存版!スマホアプリマーケティング全施策まとめ (2/2)

2014年05月13日 11時00分更新

文●池村 修/エキサイト

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施策3:広報活動

 広報活動で盛り上がりをつくりやすいのが最初の「リリース時」です。アプリをリリースできる状態になったら、一発目の山場を作ります。話題を作る最初で最大のチャンスですので、ここで多くのユーザーを獲得できれば、その後の「広める」活動もしやすくなります。

プレスリリース配信

 事前に社内の広報担当者にアプリの概要をブリーフィングし、プレスリリース文を作成してもらいます。プレスリリースは、アプリのリリース当日に配信します。

レビューサイトへの掲載依頼

 ネット上に無数にあるアプリのレビューサイトは、それぞれたくさんの読者を抱えています。レビューサイトに掲載されれば、それらの読者に対してアプリの存在をお知らせできます。

Twitter/Facebookアカウントでの告知

 自社のSNSアカウントでも「リリースしました!」と告知することで、レビューサイトやメディアサイトとは別のユーザーにアプリの存在を告知できます。

アプリ公式サイト(スマホ/タブレット/PC)の開設

 アプリストアでは伝えきれないアプリの魅力を伝えるために、アプリの公式サイトを用意します。スマホだけでなく、PCやタブレットなどのデバイスごとの見え方に考慮したサイトを用意しましょう。

勉強会での発表、自社ブログでの情報公開

 アプリ開発者が参加する勉強会やセミナーも、自社アプリをプロモーションできる場です。ほとんどの勉強会は無料ですので、積極的に参加してアピールしましょう。また、自社の開発者ブログでも日頃から情報を発信して活用します。

施策4:広告宣伝

 ネット広告を利用してアプリを宣伝する方法もあります。さまざまな手法や出稿先がありますが、対象となるアプリによって得られる効果が異なるので、実際に出稿してPDCAを回しながら費用対効果の高い手法を選定します。

リワード広告

 アフィリエイト広告の1つで、実際にアプリがダウンロードされたら成功報酬を支払います。配信ストアのランキング操作に効果的で、一気に上位に食い込ませる「ブースト」と呼ばれる手法でよく使われます。

記事広告(金額固定/CPI型)

 レビューサイトなどのメディアに広告費を支払って記事化してもらい、記事から配信ストアへ誘導する方法。ダウンロード数によって広告費を支払うCPI(Cost Per Install)型もあります。

アドネットワーク広告

 Webサイトやアプリを束ねた広告配信ネットワークに対してディスプレイ広告やテキスト広告を配信する手法。グーグルの「AdMob」や、アップル製品(iPhone/iPad/iPod)にのみ配信される「iAd」などがあります。

リスティング広告

 Googleなどの検索ページに、キーワードに関連した広告を出稿する方法。配信先をスマートフォンに絞り、OSを「iOS」「Android」に指定することで、アプリのプロモーションにも利用できます。グーグルの「AdWords」などがあります。

Facebookモバイルアプリインストール広告

 Facebookのニュースフィードに配信される広告。Facebookのユーザー属性を利用したターゲティングが可能。

店舗アフィリエイト

 携帯電話ショップで店頭スタッフがおすすめする人力広告。スマートフォンの新規購入や機種変更の際に、一押しアプリとして紹介されます。

施策5:他アプリとの協業

 他社と協業し、双方のアプリを広めるために、「アプリ・トゥ・アプリ」の相互誘導をしたり、合同キャンペーンなどの企画を実施したりする方法もあります。

相互誘導

 アプリ内に他のアプリへの誘導枠を設ける方法。一般的に似たようなアプリ同士であれば効果が高いとされています。

その他:アプリのメリットを活かした連動など

 アプリ自体のサービス内容と他アプリとの関連性を持たせた企画を実施することもあります。アプリのコンセプトが異なっていても、アプリのジャンルやユーザー像が似ているアプリ同士であれば、アプリの機能を紹介して拡散してもらったり、相互に誘導してアプリ自体の認知度をアップしたり、お互いにメリットが得られる取り組みが考えられます。

 例えば、「まだ知られていないiPhone情報」を扱っているニュースアプリと、トリセツアプリなら、両方ともユーザーの目的は情報収集なので、お互いのアプリに告知を出すことで認知度を上げられます。

施策6:アプリマーケティングの分析

 アプリを広めていくには、アプリがどのように使われているか、どのような広告に効果があるのか、どんな文言が適切かを、運用期間を通じて分析する必要があります。さまざまレポーティングツール、分析ツールがありますので活用しましょう。

iTunes Connect/Google Developer Consoleから提供される情報

 配信ストアにもアプリを分析できるツールが標準で揃っています。ダウンロード数や売上、端末の種類などの最低限の情報を押さえるのに役立ちます。

App Annie

 大手配信ストア(iTunes Connect/Google Developer Console/Amazon App Store等)の情報を一括で分析できるツール。無料でも利用できますが、有料会員になると他のアプリや海外での市場分析に役立つ情報が得られます。

Google アナリティクス

 Webのアクセス解析でおなじみですが、アプリの利用状況の分析にも使えます。アプリをリリースする前に必ず導入することをおすすめします。

検索(リアルタイム、Web)

 いわゆるエゴサーチ。アプリ名で検索して、ユーザーの評価や使われているかを把握します。リアルタイム検索ならTwitterやFacebookなどのSNSで情報を発信しているユーザーの声も可視化できます。

自社ツール(レビュー監視)

 複数のアプリを配信している場合、配信ストア内の「レビュー」欄をアプリごとにチェックするのは大変です。エキサイトでは、「レビュー内容」を自動的にメールで送るツールを自社開発しています。

その他サードパーティーツール(クラッシュ監視等)

 アプリの使い方はユーザーによってまちまちです。不具合でアプリが落ちるシーンも異なってきます。マーケティングとは直接関係ありませんが、アプリが落ちた原因を正確に把握し、不具合を修正することで、ユーザーの満足度向上につながります。

 アプリを「広める」ための施策や手法はたくさんありますが、大切なのは、そのアプリが「何をするためのアプリ」なのか、ユーザーに伝えることです。仮説を立てて、それを実行し、レビューをする、また仮説を立てて実行しレビューをする。このサイクルが一番重要です。

 次回は、配信ストアが提供する情報や、アプリの利用動向に関する基本的な見方について紹介します。


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