利用者参加型にこだわった、
双方向かつ利用者目線の情報サービス
ポイントとなるのは利用者参加型にこだわった点だ。
「サイクリストに投稿していただくとコンテンツの充実につながるため、サイクリスト同士で情報を活発に交換していただくことを期待したい。行政から一方通行の情報提供ではなく、双方向型であり、利用者目線での情報サービスに育て上げたい」と佐伯氏は語る。
サイクリストの情報を通じて、自転車道を示す「ブルーライン」が消えかかっている場所や走りにくい場所の指摘、あるいは新たなサービスの提案など、「我々が気がつかないところを、利用者の方の情報によって知ることもできるだろう。サイクリング・パラダイスを実現する上でも積極的に活用したい」(佐伯氏)とする。
運用についても、行政が労力を割いて細かい部分にまで関わり続けるのではなく、NPOとの協力体制や自動再配信などによる手サービス運営を実現している点も見逃せない。
今後は日本語以外の多言語対応や、投稿者に対するインセンティブの提供なども検討していく考えだ。愛媛県の中村知事は、「私案だが」と前置きしながらも、「投稿された中から年間優秀作品を選んで、ポンジュース1年分をプレゼントするのはどうか」と提案する。
愛媛県では、「まずは愛媛マルゴト自転車道サービスサイトを訪れていただき、映像を通じてその景観の素晴らしさなどを体験してもらいたい。バーチャルにサイクリングを体験したあとに、ぜひ愛媛に来ていただきたい」(井上氏)と、サイクリストたちに呼びかける。
さまざまな人材に対するセミナー/講座を実施
プログラム終了後の継続的な仕組み作りも重視
一方、日本マイクロソフトは、このほかにも、地域活性化協働プログラムとして、障碍者や障碍者のサポーターを対象にICTスキル習得を図るセミナー/講座を開催する「障碍者向け支援プログラム」、NPOを対象にICT利活用方法の習得するためのセミナーなどを通じて県内のNPO活動を強化する「NPO基盤強化プログラム」、中小企業などの技術者を対象にクラウドサービスやアプリケーション開発などの高度なICT技術者の育成を行なう「高度人材育成プログラム」を、愛媛県に対して2015年3月31日まで提供する。
「障碍者向け支援プログラムでは、ICTスキルを習得した障碍者が、愛媛マルゴト自転車道サービスサイトの運用/保守に携わっていただくなどし、軽作業が中心になりがちだった障碍者の雇用環境を変えていくきっかけにしたい。高賃金を獲得できるIT分野での雇用にもつなげたい」(佐伯氏)とする。
また、愛媛県企画振興部管理局総合政策課主幹の須山定保氏は、「日本マイクロソフトの地域活性化協働プログラムには多くのメニューがあるが、この3つに絞り込んだのは、県の担当部門に募集をかけ、成果へとつなげられるものを選定したため。2015年3月のプログラム終了後も継続的に取り組める仕組み作りも重視していきたい」とする。
これまでの地域活性化協働プログラムとは異なる成果が出ることになりそうだ。
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