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3年ぶりのフェイスブック・カンファレンスで何が発表されるのか?

2014年05月01日 07時00分更新

文● Selena Larson via ReadWrite

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デベロッパーに向けた様々な発表が期待されている今年のF8について、最新の報道をまとめて検証する。

Facebook

フェイスブックは今週水曜日(米国時間)に自社のデベロッパー向けカンファレンス、F8を3年ぶりに開催する。サンフランシスコで行われるこのイベントから大きなニュースが飛び出しそうだ。

前回のF8カンファレンスは消費者向けの内容だった。俳優でコメディアンのアンディ・サムバーグがマーク・ザッカーバーグに扮して登場し、その後本物のザッカーバーグが同サイトの一新されたユーザー・プロフィール、Facebook Timelineを紹介した。

どうやら今年はフェイスブックのウェブサイトやアプリの見た目や使い勝手にはフォーカスされず、フェイスブックの様々なツールやサービスに関する、開発者に向けたアピールが中心となるようだ。

さすがにザッカーバーグはマイクロソフトのバルマーのようにステージに上がり「デベロッパー!デベロッパー!デベロッパー!」とまでは叫ばないだろうが、今年のイベントは確実にデベロッパーへのラブコールになるだろう。


フェイスブックのアドネットワーク

先週行われたフェイスブックの決算発表で、同社COOのシェリル・サンドバーグは現在「モバイル・アドネットワークの初期的な試験を実施している」ことを明らかにした。デベロッパーやパブリッシャーがサードパーティー・アプリケーション上で広告を表示できるようになるというものらしい。サンドバーグの説明によればこのネットワークはまだ開発中で未完成のようだが、今回のF8カンファレンスでこの新たな広告表示方法が発表されると、一部で報道されている。

TechCrunchによると、この広告プラットフォームは「Facebook Audience Network」と呼ばれ、ユーザーがフェイスブックのアプリを使っていない場合でも、フェイスブックのデータを有効活用してユーザーをターゲティングすることが可能だという。

事実フェイスブックはデベロッパーのモバイル・アプリケーションをマネタイズする施策として、今年の始めからモバイル・アドネットワークの試験を行っている。初期的な試験ということもあって、これはごく限られた広告主やパートナーのみに公開されていた。しかしこの試験もすでに数ヶ月以上行われており、一般公開が近づいていてもおかしくはない。

フェイスブックのモバイル広告はそもそも盛況で、同社の広告売り上げの60%以上を占めている。その中でもモバイル・アプリをインストールさせるアプリ広告の効果は特に良好で、フェイスブックにとっては収益性の高い商品だ。

フェイスブックのアドネットワークは、グーグルのAdMobツイッターのMoPubネットワークと直接競合することになる。ただフェイスブックが利用する個人情報はかなり具体的であり、広告主にとってより高度なターゲティングが可能となるため、他社と比較しても広告プラットフォームとしての価値はかなり高そうだ。


次の1億人に向けたアプリを開発

フェイスブックが中心となって設立した団体「Internet.org」にはまだ謎が多い。確かに同社は発展途上国にインターネットを提供するというプランを提示してはいるものの、これはまだ理論段階で、実行フェーズに移すにはまだ超えるべきハードルがありそうだ。そこでフェイスブックのInnovation Labの出番となる。

今回のF8で、同社の Innovation Lab(カリフォルニア州メンロー・パークに所在)が開発している技術をデベロッパーに公開し、彼らが利用できるようにするのではないかと報じられているのだ。デベロッパーは、発展途上国におけるインターネット接続速度をシミュレートしたネットワーク上で、自身のアプリケーションをテストできるらしい。

ザッカーバーグ自身もInternet.orgに非常に注目しており、新たな1億人のユーザー獲得に繋げる方法を考えているようだ。インターネットが開通したばかりのマーケットに対して、デベロッパーがいかにアプリを開発しそれをマネタイズできるか、また、まだインターネットが繋がっていない地域にそのためのリソースを提供することの重要性を、彼はこのカンファレンスで取り上げるだろう。


すべてのプラットフォームを対象に

注意深くフェイスブックの動向を観察すると、同社がParseを買収して以来、徐々にではあるがデベロッパー・フレンドリーな企業へと進化していることは明らかだ。

Parseのおかげで、フェイスブックはモバイルとウェブの両方で同ソーシャルネットワークに接続するアプリの開発を支援するというユニークな立場に立たされている。この両社の今後の展開も実に興味深い。

さらにフェイスブックは、いずれはバーチャル・リアリティーがモバイル端末の代わりを果たすと考えているようだ。同社がOculusを買収した意図や今後の戦略は見えないままだが、F8カンファレンスでその全貌が明らかになることを期待したい。フェイスブックがバーチャル・リアリティー界に進出したことがモバイルやゲームのデベロッパーに対してどのような影響をもたらすのか、また、フェイスブックのプラットフォームがどれほど使いやすくなり、デベロッパーがより広いオーディエンスに向けたアプリを開発しやすくなったのか、等が明らかになることだろう。


とにかくデベロッパーのための一日

ReadWriteは今年のF8に参加し、進展があり次第報告する予定だ。何しろ3年ぶりとなるデベロッパー・カンファレンスだ。デベロッパー達の開発やマネタイズなどに影響を与えるであろう多くのニュースが飛び出すことは間違いなさそうだ。

乞うご期待!


画像提供:kris krüg(Flickrより)


※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちら


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