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折原一也が体験、新4K対応ビエラの進化ポイントはここだ! 第2回

HEXA CHROMA DRIVEテクノロジーでプラズマの画質に近づいた

VIERA AX800が原画に忠実な色を再現するための新技術とは

2014年05月22日 11時00分更新

文● 折原一也、写真●篠原孝志(パシャ)

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パナソニックがプラズマで培ってきたハリウッド画質を継承

 実は薄型テレビ ビエラ AX800シリーズで取り入れられたHEXA CHROMA DRIVEテクノロジーの考え方は、パナソニックが長年培って来たPDP(プラズマテレビ)の画質に液晶テレビで近づくことを目指したものでもある。

 PDPの画質の特徴に”映画に適した色再現”といった謳い文句が使われていたが、その言葉の指すところは、液晶テレビの得意とする画面の明るさやコントラストそのものではなく、特に低輝度であっても色情報を潰さずに再現できるという、PDPパネルの発色特性に由来していた。もちろん、PDPパネルにも克服できない別の弱点があったのだが、根強いPDPファンがいたのも事実だった。

 今回、薄型テレビ ビエラ AX800シリーズの開発には、長年PDPの画質設計をしてきたエンジニアも参加することで、液晶テレビでありながらPDPのような色再現性、そして黒色と暗部階調の再現も実現している。薄型テレビ ビエラ AX800シリーズのバックライトはエッジライト方式だが、ローカルディミングによりエリア別に映像の明暗に合わせてバックライトの明るさ、そして「暗部階調補正技術」により、エリア別に映像信号に対してもガンマ制御をすることで、階調をよりリニアに見せる技術も導入している。

暗所での階調性や色再現性を確保するための技術が盛り込まれている

 特に薄型テレビ ビエラ AX800シリーズに搭載された映画モードについては、パナソニックがハリウッドに持つ画質研究拠点「パナソニック・ハリウッド研究所」(PHL)に実物を持ち込み、テレビを設計するエンジニア達が、リファレンスのプロジェクター(マスターモニターではなく映画用の業務用プロジェクター)に合わせて色調整をしたものだ。

 映画モードは「シネマ」「シネマプロ」と2通り用意されており、シネマの設定はBDの映画信号に合わせて輝度最大50cd/m²までに合わせて調整をしたリファレンス仕様で、シネマプロは100cd/m²まで拡大した、よりダイナミックレンジを重視した設定となっている。

 いずれの設定も画質の基準はハリウッドの現場の設定となっており、ガンマ設定もプロの設定に合わせてガンマ2.4を採用。色域もDCIまで拡大はせずにBT.709の設定がデフォルトで、広色域パネルであっても色再現はBDの再現範囲へと押さえ込んでいる。これもハリウッドの現場を考慮して決められた仕様で、広色域パネルの余裕ある色域を活かした、忠実なBT.709の再現を狙っているという訳だ。

 ちなみに、AX800は米THX社による「THX 4Kディスプレイ規格」の認定も獲得している。「THX」の設定も2種類用意されており、4種類もの映画モードを好みで選べると考えると選択肢も豊富だ。

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