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まぶしくない次世代LEDをいち早く実地に評価試験

NHK、新白色光源を採用した“まぶしくない”LED照明を開発

2014年04月25日 16時57分更新

文● 行正和義

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試作した「キャスターライト」、左が従来型LEDで右がクルムス蛍光体を使用

 NHKは、新白色光源クルムス(Cl_MS)蛍光体を使用した照明装置を開発、収録に使用して評価を行った。

 LED照明が普及するなか、直接照明を照射される出演者などからはまぶしすぎるといった意見があり、テレビ収録の現場などでも十分な光量を持ちつつ目に優しい光源が必要とされていた。

 NHKは今回、クルムス(Cl_MS)蛍光体を使用した照明装置を開発して実地で使用した。一般的なLEDでは青色LED素子が発する光を受けてYAG蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)が黄色に発光し、各種光成分が合わさって白色光に見えるというしくみを用いている。現状ではもっとも明るくできるため普及しているが、赤や緑の光を混ぜているわけではないでやや青白く発光し、点光源素子のためなど不快なまぶしさを生じやすいという問題がある。

 クルムス(Cl_MS)蛍光体は、小糸製作所と東京工業大学、名古屋大学などが共同で開発したLED照明素子で、紫色LED素子とクルムスと呼ばれる新開発の蛍光体を組み合わせる。Cl_MSは貝や石、塩などに含まれるありふれた元素からなる結晶性の物質で、希土類元素ユーロピウムを添加することで蛍光剤となり、紫色光を90%以上の効率で黄色光に変換する。紫色LEDと青色に蛍光するクルムス蛍光体の組み合わせによって高効率な白色LEDを製作でき、発光部は点光源状ではなく大面積で立体的な形状を構成できるなど、広い範囲で照射できるまぶしくないLED照明として期待されている。

ロケ・中継用照明は5月25日放送予定のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」(第21話・官兵衛幽閉シーン)の収録でも使用した

 NHKでは、小糸製作所と共同でクルムス蛍光体を用いたスタジオでキャスターを照らす「キャスターライト」と、ロケや中継で使用する「ソフトライト」の2種類の照明器具を試作。従来型の白色LED照明器具との比較評価を実施した結果、約9割の方から「試作品はまぶしくない」との回答を得た。

 NHKでは今後、さらに番組での試用などを重ねて番組制作用照明器具としての最適化を図っていくという。

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